連合ニュース 2023年

 
2023年06月28日
加藤厚生労働大臣に対し、「2023年度 連合の重点政策」に関する要請を実施
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連合は6月28日、加藤厚生労働大臣に対し、「2023年度 連合の重点政策」に関する要請を行うとともに、「女性活躍」について意見交換を行った。
連合からは、芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、佐保総合政策推進局長、井上総合政策推進局長、冨高総合政策推進局長が出席した。
 

冒頭、芳野会長が加藤厚生労働大臣に要請書を手交し挨拶を行った。その後、清水事務局長から「人への投資」に関する財政支援の拡充と中小企業への支援強化・周知、ハラスメント禁止規定の創設と性的思考・性自認に関する差別を禁止する法律の制定、診療報酬改定や人材確保のための労働条件改善及び保健所等の機能・体制強化を中心に、2023年度連合の重点政策に関する要請事項の説明(添付:要請書参照)を行った。要請事項に対して、加藤厚生労働大臣からは以下の回答があった。

■「リ・スキリングによる能力向上支援」「個々の企業実態に応じた職務給の導入」「成長分野への労働移動の円滑化」による「三位一体の労働市場改革の指針」に基づき、今後構造的な賃上げに向けた各施策を進める。労働者個人の多様な選択を支え、賃金上昇を伴う労働移動を進めるべく、リ・スキリング支援は企業経由の支援に加え、個人への直接支援も拡充したい。
■ILO第190号条約の趣旨は概ね妥当と考えている。批准との関係では、国内法制との整合性の観点から、なお検討を要する。今後、ハラスメント防止対策の強化のための改正法の施行状況、諸外国の動向等も把握し、必要な対応を検討する。カスタマーハラスメントについても、企業向けマニュアルの整備など事業所管官庁とも連携しつつ対策を進める。
■中長期的な人口構造の変化や新型コロナ対応で顕在化した課題を踏まえ、新たな地域医療構想の検討や来年度から始まる第8次医療計画の策定の支援を進める。保健所の体制整備もしっかりと取り組む。また足下の物価高や原材料価格の高騰、人材確保や処遇改善への対応も重要な課題と認識しており、今後実態を十分に把握し、来年度の報酬改定に向けて検討する。
 

その後、佐保総合局長から「マイナ保険証」に関して、「来年秋の健康保険証廃止にむけて進む中、紐付けの誤りが発生していることへの不安や心配の声が連合にも寄せられている。患者・国民の不安を払拭し、丁寧かつしっかりとした対応をお願いしたい」と発言した。

加藤厚生労働大臣は、「マイナンバー保険証を利用することによって、薬剤情報など個々人の情報を踏まえた医療が提供されることや、効率的な医療が提供できるようになることなどの利点を周知するとともに、情報の紐づけなどの課題を解決することで国民の信頼を獲得しながら、より良い医療を提供していきたい。」と述べた。

 

また重点政策に関する要請に加え、「女性活躍」をテーマに意見交換を行った。

芳野会長は、連合の女性活躍の取り組みを説明した上で、「連合は労働組合における多様性の確保、女性の参画促進と組合活動におけるジェンダー主流化が重要との認識のもと、意思決定機関における女性参画率3割以上をめざし、今期女性役員比率36.2%と目標を達成した。男女の割合がそれぞれ50%となり、ともに責任を分かち合い、より良い職場を作ることをめざすとともに、女性が多くを占める非正規で働く者の処遇改善、特に同一労働同一賃金の実現にむけ、春季生活闘争を通じ、賃金改善を含めた待遇全般の改善を進める」と発言した。

加藤大臣は「女性の参画率を高めるためには、長時間労働の是正をはじめとする働き方改革を進める必要がある。連合にもご意見いただきながら進めていきたい」と述べた。

最後に、芳野会長が「女性参画を進めるためにも、男性の長時間労働、性別役割分業意識の改善も重要である。世界基準に近づけるよう、政労使で積極的に取り組んでいきたい」と述べ、締めくくった。