連合ニュース 2023年

 
2023年06月27日
2023平和行動in沖縄を開催
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で恒久平和の実現を~
連合沖縄から連合広島へのピースリレー
 連合は、沖縄「慰霊の日」である6月23日から24日にかけて「2023平和行動in沖縄」を現地・沖縄県で開催しました。
 
【6月23日(1日目):2023平和オキナワ集会】
 「2023平和オキナワ集会」を、那覇文化芸術劇場なはーと・大劇場にて、「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で恒久平和を実現しよう」をテーマに開催し、全国の構成組織・地方連合会から1,120名が参加しました。
第1部 基調講演
 山本章子・琉球大学人文社会学部国際法政学科准教授より「日米地位協定と沖縄」をテーマに、基調講演をいただきました。
 講演の中では、日米地位協定の性格について、①基地の使用、②訓練や行動範囲、③経費負担、④身体の保護、⑤税制・通関上の優遇措置、⑥生活、などについて在日米軍優遇に関する説明がありました。
 また、日米地位協定の問題として、①占領軍の特権の名残、②条文上の規定に由来する問題、③条文に規定が存在しないことによる問題、④条文上の規定と実際の運用が異なる問題、の4つの側面について、それぞれ事例も含め説明を受けました。
 最後に、占領期間が長かったことによる沖縄独自の問題に触れるとともに、嘉手納ラプコン管轄空域等の問題点についても述べられました。
 
第2部 平和式典
 冒頭、沖縄戦で亡くなられた御霊と世界中で起きている戦争や紛争で尊い命を落とされた方々のご冥福をお祈りし、参加者全員で黙祷を行いました。
芳野友子・連合会長は主催者挨拶として「沖縄戦で亡くなられたすべての方々の想いを胸に、本日ご参集の皆さんと、平和の尊さ、戦争の悲惨さを、次の世代にしっかりと語り継ぎ、二度とこのような悲劇を繰り返さないことを、固く誓い合いたいと思います。」「ここ沖縄を含めた、南西地域の防衛体制強化に関しては、地政学的リスクも相まって、地域住民の生命・生活に関わる危機感や不安の声が増すばかりです。加えて、沖縄に偏った基地の実態や日米地位協定の問題も含めて、地域住民との十分な意思疎通をはかりながら、国や自治体が説明責任を果たすことが極めて重要であるにも関わらず、それがなされていないことは大きな問題です。連合は政府に対して、国民全体の問題として徹底した議論を重ねるとともに、地域の想いに心を寄せる努力を、強く求めていきたいと思います。」「78年前、この地で何が起きたのか。参加される皆さん一人ひとりが、沖縄の実相に触れ、多くのことを感じ、学んでいただくことを期待します。」「平和なくして、私たちの暮らしも労働運動もありません。皆さんの力で、世界の恒久平和を実現する。私たち一人ひとりが平和運動の担い手・発信者となり、この輪を一緒に広げていきましょう。」と述べました。
 次に、東盛政行・沖縄会長から「ウクライナの軍事侵攻は今も終結への道筋が見えず、罪もない多くの一般市民が犠牲となり、約800万人の人々が国外での非難を余儀なくされています。」「同じ過ちを二度と繰り返さないために、沖縄戦の教訓を伝えていかなければならないこと。戦争は何の利益もなく、悲しみ・憎しみだけを生み、どこにも勝者はいない愚かなことと知るべきです。」「政府が昨年末に閣議決定した「安全保障関連3文書」による南西地域の防衛力強化を進めていくことは、「国のかたち」を変え、日本国憲法の前文を無視し、骨抜きにしたことを許すことは出来ません。」「沖縄の地理的特性を軍事面ではなく、観光や物流等経済面で生かし、「平和の要石」とするために、「恒久平和」と「命どぅ宝」を全国の仲間の皆さんと共に、希求していく。」との挨拶が行われました。
 続いて、ご来費の松永享・沖縄県商工労働部長より「沖縄県として、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減と、一日も早い普天間飛行場の移設、そして日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めてまいります。」「基地の返還が基地従業員の雇用不安や労働条件の低下につながることの無いよう日本政府に働きかけているところです。」「ロシアのウクライナ侵攻が今も続いており、住民が犠牲となる深刻な状況は沖縄県民が身をもって体験した沖縄戦の記憶と重なるものがあり、心が痛みます。」「沖縄のチムグクル(真心)を世界に発信し、沖縄の先人たちが積み上げてきた、平和に対する努力の成果を次世代にしっかりとつなげ、誰一人取り残すことのない平和で誇りある沖縄の実現のために頑張ってまいります。」との挨拶に続き、沖縄県選出国会議員の来賓紹介がありました。
 次いで、東盛政行・連合沖縄会長から藤井則正・連合広島事務局長へと「連合・平和行動旗(ピースフラッグ)」が引き継がれ、8月の開催に向けての決意が述べられました。
 最後に、堀川恵・連合沖縄女性委員会委員長が平和アピール(案)を読み上げ、満場一致で採択し、集会を終了しました。
 
【6月24日(2日目):ピースフィールドワーク】
 在日米軍基地の実情や南部戦跡を視察・学習する「ピースフィールドワーク(現地視察学習)」を実施し、469名が参加しました。
 各所を説明する「ピースガイド」は、連合沖縄の青年委員会および女性委員会に加え、連合大分の青年委員会が担当しました。
  A(在日米軍基地)コース(参加:235名)
    瀬嵩の浜(辺野古、在日米海兵隊・キャンプシュワブ)
    →道の駅かでな(在日米空軍・嘉手納飛行場)→チビチリガマ
    →嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)   
  B(南部戦跡)コース(計119名)
    嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)→旧海軍司令部壕
    →ひめゆりの塔/ひめゆり平和祈念資料館
    →平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館→魂魄の塔
  C(南部戦跡)コース(計115名)
    糸数アブチラガマ(入壕)→魂魄の塔→平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館
    →ひめゆりの塔/ひめゆり平和祈念資料館
 
 2023年の平和4行動がいよいよスタートしました。8月の広島・長崎、9月の根室と、平和行動を通じ、平和へ寄せる連合の想いをつなげていきます。
 
なお、集会の様子は後日連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。
連合の「米軍基地問題に対する活動」は、下記をご覧ください。
    https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/kizuna/peace/us-bace.html
 
  • オープニング「四つ竹」
  • 山本章子・琉球大学准教授による基調講演
  • 芳野友子・連合会長による主催者挨拶
  • 東盛政行・連合沖縄会長による地元挨拶
  • 松永亨・沖縄県商工労働部長による来賓挨拶
  • 地元選出国会議員
  • 藤井則正・連合広島事務局長による平和メッセージ
  • 堀川恵・連合沖縄女性委員会委員長による平和アピール提案
  • 平和祈念公園・平和の火と平和の礎
  • 瀬嵩の浜から辺野古飛行場建設現場を望む
  • 魂魄の塔
  • 嘉数高台から普天間飛行場を望む
  • ひめゆりの塔で黙祷
  • 県庁前広場の様子