連合ニュース 2023年

 
2023年05月29日
厚生労働省に対し、最低賃金行政に関する要請を実施
清水事務局長から羽生田厚生労働副大臣へ要請書を手交
 連合は5月29日、厚生労働省に対し、最低賃金行政に関する要請を行いました。

 冒頭、清水事務局長が、「今年の春季生活闘争では、例年にない成果が組合から報告されている。この流れを労働組合のない企業で働く労働者へも確実に波及させることが重要。今次の最低賃金審議は、その意味で今年が経済の好循環へ向かうターニングポイントとなるかどうかのいわば分水嶺だ」と述べ、要請書を手交しました。

 次いで、仁平総合政策推進局長が、要請書にもとづき特に以下の点を要請しました。

【目安審議について】
 全国的整合性のある地域別最低賃金の決定や地方審議会における円滑な審議を促すという目安制度の重要な役割が最大限発揮するため、公労使で議論を尽くした、説得力のある目安を示すことのできるよう審議会運営をはかること。

【早期発効に向けて】
 早期の最低賃金引き上げ発効が全労働者の利益であることを踏まえ、10月1日を軸に、より早期の発効に最大限配慮すること。各地方労働局に対しても、中央最低賃金審議会の審議や答申の丁寧な周知とともに、早期発効の趣旨を踏まえた審議会運営がはかられるよう、指導を徹底すること。

【最低賃金の引上げに向けた環境整備】
 中小・零細模事業者においても最低賃金の引き上げが確実に行われるよう、労務費の上昇分が適切に取引価格に転嫁できる環境整備と中小企業・小規模事業者支援策の周知徹底や、業務改善助成金をはじめとする各種助成策について、さらなる対象の拡大や要件の見直しも含め、必要な支援を継続すること。

 要請を受けた羽生田厚生労働副大臣は、「目安額の決定については、3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことができるよう、厚生労働省としても真摯に対応したい。また、賃上げしやすい環境整備としては、昨年拡充した業務改善助成金や、中小企業庁と連携した生産性向上支援や下請け取引の適正化などに一層取り組む。」と、政府の基本認識と現下の取り組みを述べました。
 その上で、「経済を好循環へ導くためにも賃金は重要な要素。引き続き行政としても取り組む」と述べました。

 最後に、清水事務局長が「とりわけ今年の審議への関心・注目度は高い。ランク区分の見直しが行われたところ、地域間格差是正に向けた取り組みの弾みとされたい」と述べ、要請を終了しました。

以 上