連合ニュース 2023年

 
2023年05月17日
芳野会長が「第18回新しい資本主義実現会議」で意見表明
5月16日(火)夕刻、岸田首相を議長とする第18回新しい資本主義実現会議が首相官邸で開催され、「三位一体労働市場改革の指針(案)」について意見交換が行われたのち、とりまとめられました。連合からは芳野会長が出席し、意見書(添付)を提出した上で、以下の内容を発言しました。
 

<芳野会長発言要旨>

■リスキリングについて

労働者個人への支援策は、すべての労働者が利用可能な制度にするとともに、労働者が主体的に能力開発に取り組めるよう、長時間労働の是正や企業による有給の訓練・研修休暇などの環境整備が不可欠。また、受講した研修や訓練の成果を適切に評価し、処遇向上に結び付けることが重要であり、それが労働者個人のその後の能力発揮や、学びの機運醸成にも資する。当然、企業による人材育成の重要性やその役割は何ら変わるものではなく、企業への支援も一層拡充すべき。また、フリーランス等で働く者に対する支援が必要なことは言うまでもないが、雇用保険財源以外の財源による適切な支援を検討することが必要だ。
 

■雇用調整助成金の見直しについて

本制度の目的は、助成金を通じて雇用を維持できる水準を確保することであり、「コロナ特例」が終了して通常制度に移行した現在においても、雇用を維持できる水準を保つ必要がある。指針(案)には、教育訓練を実施しない場合の休業の助成率を一定日数経過後に引き下げるとの記載がある。教育訓練を促進することは重要だが、本制度を通じて前向きに雇用を維持する観点から、まずは訓練に対する上乗せ助成をはじめとする促進策によって企業による教育訓練を支援・強化すべき。
 

■職務給の導入について

企業の人事制度は産業を取り巻く情勢、労使慣行や職場実態に即して、労使が主体的に検討すべき。また職務給の導入は企業規模や業種によってなじまない場合があることからも、慎重な検討が必要。
 

■最後に

企業内の制度など企業の労使により課題解決を進めるべき案件については、その方向性を含め、現場の労使で検討すべきであることを意見として申し上げておきたい。

以  上