連合ニュース 2023年

 
2023年04月13日
芳野会長が「第16回新しい資本主義実現会議」で意見表明
 4月12日、「第16回新しい資本主義実現会議」が首相官邸で開催されました。今回は「三位一体労働市場改革の論点案」について意見交換が行われました。
 連合からは芳野会長が出席し、意見書(添付)を提出した上で、以下の内容を発言しました。
 
<芳野会長の発言要旨>
■リスキリングについて
 労働者個人への支援策は、雇用形態などにかかわらず、支援を必要とするすべての労働者が利用可能な制度とすべき。訓練給付とキャリア形成支援策を一体的に取り組むことで政策効果を高めることが重要。他方、経済・社会環境がいかに変化しようとも、企業による人材育成の重要性やその役割はなんら変わるものではない。環境変化に対応した技術・技能の習得は労働者の「雇用の安定」に不可欠であり、労働者個人への直接支援の拡充のみならず、企業への支援についてもいっそう拡充すべき。また、労働者個人への給付に転換する方向性が示されているが、まずは、訓練・研修の内容やその効果の検証が重要であり、そのあり方については、労働政策審議会などで議論されるべき。
■雇用調整助成金の見直しについて
 雇用調整助成金が雇用維持に果たす役割は極めて大きく、今後も現場の状況に応じて雇用維持策を選択できることが重要。教育訓練を通じた雇用維持への支援を強化する見直しについては、対象とする教育訓練の要件や、一般会計からの繰り入れ規定などの検討が必要。
■職務給について
 職務給の導入は、雇用区分の複雑化・多様化の懸念もあることから、個別企業において、産業を取り巻く情勢、労使慣行や職場実態に即して、労使が主体的に検討すべき。指針・事例集などは、労使の検討をフォローする位置づけに留めるべき。なお、政府の役割は、今年の賃上げを一過性のものとせず、継続できる経済環境の整備や支援策を講ずること。そのためには、雇用労働者の7割をしめる中小企業が継続的に賃上げできることが肝要。多くの中小企業が人材の確保・定着や計画的な人材育成などの課題に直面している一方、賃金制度や人事処遇制度が未整備なところも少なくない。中小企業の課題と実態を踏まえて考えるべき。
■最低賃金について
 最低賃金額は、公労使三者構成の最低賃金審議会で客観的なデータにもとづき、真摯に議論して決定されるべき。そのうえで、最低賃金の地域間格差が隣県や都市部への労働力流出の一因となっていることに鑑み、最高額と最低額の「額差」改善をはかるべき。
以 上