連合ニュース 2023年

 
2023年02月21日
公正取引委員会と「適正な価格転嫁の実現に向けた取り組み」に関する意見交換を実施
 連合は2023年2月21日、公正取引委員会と「適正な価格転嫁の実現に向けた取り組み」に関する意見交換を実施しました。
 
 冒頭、公正取引委員会・古谷一之委員長より、「この度は連合の皆様と意見交換の機会をいただき、感謝申し上げる。コロナ禍から抜け出し、社会活動の正常化を見据えていく必要がある。人口減少が進む中、日本経済が成長を維持するためには、社会の活力や活発なイノベーションが不可欠であり、公正・自由な競争のもと成長と分配の好循環が原動力となる。官民が協調して好循環と適正な分配を実現するため、公正取引委員会の競争政策の役割は決して小さくない。成長と分配の好循環を基本的な考え方とし、中小企業の賃上げの原資を確保するためには、転嫁円滑化施策パッケージに沿った引き続きの取り組みが重要である。緊急調査や自主点検など、これまでにない規模での取り組みも展開している。調査結果も踏まえ、4,030社への注意喚起を実施したが、価格転嫁に関する協議が進んでいない状況がある。2023年1月には、経済3団体から共同の取り組みを発信し、傘下企業への要請もしているが、発注者側からの積極的な価格転嫁が必要である。独占禁止法や下請法について、引き続き厳正な法執行に努めるが、実効性を高めるためにも連合加盟の個別組合にも情報提供いただき、連携して進めていきたい」と挨拶がありました。
 
 連合・芳野友子会長から、「連合は、1月23日に経団連とのトップ懇談会を実施し、2月6日の闘争開始宣言2.6総決起集会を皮切りに、加盟組合では要求実現に向けた交渉・協議が進められているところである。2023春季生活闘争はまさにターニングポイントであり、企業がどれだけ賃上げできるかにかかっている。とりわけ中小企業が賃上げできるかどうかは、公正な取引の実現や適正な価格転嫁がカギとなる。労働組合の立場からも、経営側と課題認識を共有し、自社の点検を求めている。組合としても出来ることは全て取り組む考えであり、様々な意見交換を通じて加盟組合へ周知・展開していきたい」と発言しました。
 
 公正取引委員会・企業取引課より、「適正な価格転嫁の実現に向けた取り組み」に関して、パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージの概要、法遵守状況の自主点検の概要、優位的地位の濫用に関する緊急調査(2022年12月公表)、調査結果を踏まえた今後の取り組みなどの説明を受け、意見交換しました。
 
 仁平章総合政策推進局長からは、「本日の様子は、連合ニュースを通じて組織内外に発信したい。2023春季生活闘争の取り組みにおける基盤整備として、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配を一番手に据えており、交渉に至る前段での準備が非常に重要である。中小企業庁の価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果を各級会議で共有しているが、構成組織・地方連合会からの関心も非常に高い。2月7日には、貴委員会にもお越しいただき、取引の適正化に向けた取り組みや中小企業への各種支援策に関する説明会を実施したところだが、4月には改めて調査結果を踏まえた課題認識や今後の取り組みなどについて要請したい」と述べ、意見交換を締めくくりました。

以 上
  • 公正取引委員会・古谷委員長
  • 連合・芳野会長
  • 意見交換の様子