連合ニュース 2023年

 
2023年02月16日
芳野会長が「第14回新しい資本主義実現会議」で意見表明
 2月15日、「第14回新しい資本主義実現会議」が首相官邸で開催されました。今回は「リスキリング・労働移動・構造的な賃上げの方向性」についての意見交換が行われました。
 連合からは芳野会長が出席し、意見書(添付)を提出した上で、より質の高い安定した雇用や処遇を実現していく観点などから、2023春季生活闘争の取り組みにも触れながら、次の意見を述べました。

<芳野会長の発言要旨>
■2023春闘について
 中小企業からは厳しいとの声が少なくない。最大のネックは価格転嫁の課題であり、政府には業界ごとの特徴を踏まえた取り組み強化ときめ細かな相談活動など、実効性ある対策をさらに推進していただきたい。
 賃上げの流れが中小企業などに波及するよう、政労使が一致して社会的メッセージを発信することが必要である。

■職場実態を踏まえた賃金人事制度の整備について
 「日本型の職務給の確立」については、今現在の職務だけに注目するのではなく、働く人の意欲や仕事の出来栄えなどもしっかりとみなければ、人材の育成や成長につながらない。
 いわゆるジョブ型の賃金人事制度は、企業規模や業種によってなじまない場合があることや、雇用区分を複雑化・多様化してしまう懸念を踏まえれば、個別労使が職場実態を踏まえ検討すべきである。
 また、新たな指針の策定にあたっては、当事者である労使や労使紛争防止の観点から専門家が参画・議論することが重要である。

■リスキリングの推進
 リスキリングは、新たな業務に必要な知識・スキルを習得するための手段であり、労働移動に向けた手段のみを意味するものでないことは改めて申し述べておく。
 また、人材育成は企業の責任で実施すべきものであり、企業は人材ビジョン等を明確にしたうえで、リスキリングのみならず、従来からの能力開発、リカレントなど「人への投資」を総合的に推進することが重要である。
 労働者個人への直接支援策は希望する誰もが幅広く利用できる制度とするとともに、訓練給付の拡充にとどまらず、キャリア形成に資する支援策とセットで充実させる必要がある。なお、人材育成の実施主体は企業であることから、引き続き企業を通じた支援策の維持・拡充が重要なことも強調しておきたい。
以 上