連合ニュース 2022年

 
2022年12月26日
芳野会長「第5回GX実行会議」で意見表明
~「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」がとりまとめられる~
 政府の「GX実行会議」(議長:岸田首相)の第5回会合が12月22日午後に首相官邸で開催され、連合から芳野友子会長が構成員として出席しました。今回の会合では、「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」(以下「基本方針」)が取りまとめられました。

 取りまとめにあたり、岸田首相から次の点について発言がありました。
・次の通常国会に関連法案を提出すべく、幅広く意見を聞くプロセスを進めていく。
・技術や各国の政策を踏まえ、機動的で柔軟な対応が必要。各プロジェクトの進捗をレビューし、「基本方針」のパージョンアップを連続的に行っていく。このGX実行会議では、政策の有効性の点検やわが国に最適なGXとなっているかなど、大所高所からの議論をお願いする。
・エネルギー危機に対応した政策を加速するには、国民や地域の信頼を積み上げていく地道な取組も不可欠。
・高レベル放射性廃棄物の最終処分につながるよう最終処分関係閣僚会議を拡充するなど、バックエンド問題にも取り組む。

 会議において芳野会長は、提出した意見書(詳細は別紙参照)にもとづいて、以下の意見を述べました。
○ 「公正な移行」の今後の対応として、政労使が加わる社会対話を基礎に、円滑な労働移動、地域脱炭素化、産業移転にともなう地域経済などの分野横断的課題の深掘りが必要。「失業なき労働移動」の実現は、多様な働き方や学び直しに対応する社会保障や生活保障など、重層的セーフティネットの構築や地域中小・零細企業の雇用への影響への対応など、省庁横断的な取り組みに期待する。
○ エネルギーの安定供給の確保と脱炭素の取り組みは、中長期は再エネ等への投資の拡大、短期的には、エネルギーの危機的状況下にある産業や生活を守るため、国の責任で安全を大前提に、安定的に安価に供給することが必要。各施策の具体化は、国の責任と説明のもと、国民的合意形成が必須。次期「エネルギー基本計画」は、国民的議論と理解のもとで策定・運用されるよう求める。
○ カーボンプライシングの負担は、特定の産業だけでなく広く国民で共有されるべきであり、排出権取引の制度設計も賦課金との負担調整措置を確実に実施し、エネルギー関連税制や再エネ賦課金など既存の負担の検証と再検討も視野に関係産業労使の意見を取り入れた議論を求める。また、「GX移行債」資金による投資の基本条件に、「付加価値の高いグリーンでディーセントな雇用創出につながる」を明確化すべき。
 
 今回の「基本方針」とりまとめを受けて、連合は「政府の『GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~』策定に関する事務局長談話」を発表しています。