2022年10月19日
復興庁に対し、連合の重点政策を要請
連合は10月18日、復興庁に対して「2022年度 連合の重点政策」に関する要請を実施しました。
冒頭、清水事務局長が小島復興副大臣に要請書を手交し、「連合は本年も福島で復興ヒアリングを実施したが、原子力災害からの復興は緒についたばかり。廃炉や除染、風評被害対策は国が責任をもって行ってほしいとの強い要望があった。現地の声を踏まえた重点政策を、ぜひ復興行政に反映してほしい」と述べました。
その後、冨田総合政策推進局長が、重点政策の内容(下記3項目)を説明しました。
〇被災地の農水産物や食品に関する風評被害対策として、安全証明や販路拡大の支援を徹底するとともに、国内外に向けて迅速かつ正確な情報発信を行う。
〇被災による心的ストレスや特別な配慮など子どもの支援を充実させるため、スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーの常勤配置とすべての学校で養護教諭の配置・増員を行う。
〇独居高齢者の増加や地域コミュニティの希薄化などにより、要介護状態の悪化や孤立死が発生することのないよう、アウトリーチ型の見守り機能や相談体制の確保に向けた支援を強化する。また、居住地にかかわらず被災者の健康対策や心のケア対策を継続する。
これに対し、小島復興副大臣は、「被災地の農産物は放射線量をモニタリングしており、基準を満たさないものは市場に出ないことを国内外に周知し、流通を確保したい。自治体による安全性の情報発信等を支援する地域情報発信交付金も創設しており、販売促進を応援したい。ALPS処理水の海洋放出に伴うトリチウムの排出量について、諸外国よりも低レベルだった原発事故前の水準以下にとどめることを諸外国に説明していく。子どもの心のケアを行う専門職は、人員を適切に配置したい。高齢者のケアについては、被災者支援総合交付金で自治体の取り組みを支援している」と回答しました。
その後の意見交換では、冨田総合政策推進局長が「学生が被災地で支援活動をしているが、交通費が自己負担で、活動を続けるのが大変と聞く。支援を検討してほしい」と述べ、小島副大臣は「しっかり研究したい」と答弁しました。
最後に、清水事務局長が、「『震災後10年』は通過点でしかなく、何かが解決したわけではない。各地に避難した方々は、避難先で仕事や友人ができて帰還しない人も多く、高齢者が帰還しても、コミュニティで支えるのは難しいのが実情。今後も政府の支援をお願いしたい」と締めくくりました。
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要請の様子