連合ニュース 2022年

 
2022年10月12日
「第4回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」で連合の取り組みを報告し、働きの価値に見合った労働条件の必要性について訴える
 10月11日、「第4回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」(主宰:内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、経済産業大臣)がオンラインで開催され、関係業所管庁(厚生労働省、農林水産省、国土交通省)の他、労働界代表として連合芳野会長、経済界代表として十倉日本経済団体連合会会長、三村日本商工会議所会頭が出席しました。
 
 山際内閣府特命担当大臣より冒頭挨拶のあと、西村経済産業大臣より、価格転嫁等の状況、宣言企業・下請企業に対するアンケート調査(7~9月)、11月開催予定のシンポジウム、パートナーシップ構築宣言の拡大・実効性向上、付加価値向上・取引適正化に関する今後の取り組みについて報告しました。その後、産業界、労働界、業所管大臣がこの間の取り組み報告を行い、山際内閣府特命担当大臣が締めくくりの挨拶を述べ、閉会となりました。
 
西村経済産業大臣
 パートナーシップ構築宣言の重要性は益々高まっており、宣言数全体は着実に増えている。一方で、大企業において幅広く宣言いただくことが必要であり、宣言に関する政策的インセンティブの拡充に努めている。社会的な課題が山積する中、パートナーシップ構築宣言の更なる拡大が強く期待されており、模範となる団体の代表的な企業を一覧で公表する。宣言の取り組み状況の把握について、実効性の向上につなげるため、宣言企業の調査に加え、下請企業への調査を初めて実施する。取引先との優良な取り組み事例も確認しており、直接の取引先を通じてその先の取引先に働きかけることが重要。価格協議は、約85%が全ての下請企業との協議に応じている。また、価格転嫁は、約半数が4~6割程度の転嫁を受け入れている。そのような中、問題となりうる行為を指摘された宣言企業もあり、今後、宣言企業へフィードバックする。
 11月にパートナーシップ構築シンポジウムを開催予定であり、優良な宣言企業の表彰とプレゼンテーションを実施する。9月の価格交渉促進月間では、岸田総理が動画などを活用して業界団体や中小企業に呼びかけした。3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果を踏まえ、評価が芳しくない親事業者に対し、業所管の大臣名で指導・助言を実施した。公正取引委員会とも連携し、交渉と転嫁が定期的になされる取引慣行の定着をめざす。
 
十倉経団連会長
 中小企業やフリーランスを含む共存共栄について、役員会において各社に呼びかけた。会長副会長企業のすべてが宣言済であり、企業数は約400となった。前回から大きく増加したが、今後も積極的に呼びかける。業種によって浸透状況に差がある。政府においては、すべての閣僚が中心となり、自主的な取り組みであることに留意しつつ、重点的な働きかけをお願いする。経団連としてもパートナーシップ構築宣言の重要性を踏まえ、宣言済企業に実効性のある取り組み呼びかける。また、企業憲章の実行手引きにも価格転嫁を円滑に反映することを盛り込んでいく。
 
三村日本商工会議所会頭
 長引くコロナ禍に加え、物価高騰など複合的な要因で経営に大きな影響が出ている。
日商が実施した調査では、約95%の企業がコストアップによる収益悪化し、販売価格への転嫁の困難さなどがあると認識している。宣言登録者数を拡大し、より実効性を高めるため、企業名を公表するなど、価格転嫁できる環境整備が必要。
 調査に回答することが何らかの不利益になるのではないかという不安の払拭に努め、回答率の向上に取り組む。BtoCにおいても勇気をもって価格転嫁を進める必要がある。埼玉県で連携協定を締結し、好事例として評価できるものである。政府においては他の地方自治体でも広げられるよう取り組みを推進していただきたい。
 
芳野日本労働組合総連合会会長
 連合は来年の“春闘“について検討をしているところである。現下の物価高が労働者も企業にも大きく影響しており、とりわけ中小企業においては適正な価格転嫁と賃上げをセットで進めるべきという声も強い。パートナーシップ構築宣言のさらなる拡大にむけて労働組合の立場からも取り組むとともにその実効性の強化を求める。
 宣言企業数は14,269社となっているものの、大企業の宣言数は1割以下にとどまっている。業界によってばらつきがあるため、政府として拡大にむけてさらに働きかけをしてほしい。また、昨年夏から原油や輸入品価格が上昇している一方、取引価格に十分反映できていないという声も職場から上がっている。パートナーシップ構築宣言の取り組み状況調査について、下請企業への調査を初めて実施するとご説明があった。サプライチェーン全体で適切な分配が行われることが重要であり、直接的な取引先のみならず、その先の取引先も視野に入れて、中抜きやしわ寄せが生じないようにすべき。また、コスト上昇分の転嫁拒否が疑われる業種に対して、重点立入調査を実施していると認識している。大事なのは、スピードと実効性。好事例の表彰や調査結果を経営者へ個別にフィードバックすると聞いているが、悪質事案について公表することも含めてより踏み込んだ取り組みを検討していただきたい。あわせて、2021年12月に閣議決定された「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化の取り組み」について、実効性向上に向けて継続的に進めていってほしい。連合としても、大企業と中小企業が互いに価値を認め合い共存共栄し、そこで働く者が働きの価値に見合った労働条件を実現できるよう、引き続き協力したい。
 
山際内閣府特命担当大臣
 前回からの取り組み状況や、今後のフォローアップの取り組みなどについて意見交換させていただいた。サプライチェーン全体で円滑な取り組みが進められるよう、政労使で協力に推進していきたい。そのうえで、企業がパートナーシップ構築宣言を実施する流れを加速し、調達担当者や現場での徹底など浸透させるための働きかけをお願いする。価格転嫁しやすい環境整備が重要であり、総合経済対策にも盛り込んでいく。物価上昇に負けない継続的な賃上げに取り組むことをお願いする。