連合ニュース 2022年

 
2022年09月22日
「2022連合全国セイフティネットワーク集会」を開催
~第13次労働災害防止計画の評価と第14次防に向けた課題がテーマ~
 9月21日、連合は「2022連合全国セイフティネットワーク集会」を会場とオンラインのハイブリッド形式で開催しました。構成組織・地方連合会からは、合わせて約100名のご参加をいただきました。
 
  連合全国セイフティネットワーク集会は、労働安全衛生に関する最新情報の提供や、労働組合の取り組み事例や課題の共有化、意見交換等を目的に、1993年以来開催されています。今回は、2023年4月からの5年間を計画期間とする第14次防の策定に向けた議論の本格化を見据え、「第13次労働災害防止計画の評価と第14次防に向けた課題」をテーマに開催しました。
 
  冒頭、冨髙総合政策推進局長の主催者挨拶にさきがけ、これまでに労働災害で亡くなった方々に対して、参加者全員で黙祷を捧げました。
 
  集会の前半は、船井雄一郎・厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課課長補佐より「労働者以外の者への安全対策~石綿最高裁判決を受けて~」についてご講演いただきました。これまで、労働安全衛生法における保護すべき対象は、事業者に雇用されている「労働者」と位置づけられておりました。しかし、「安衛法第22条は労働者だけでなく同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨」との最高裁判決を受け、一人親方や下請業者に対する保護に向けた省令改正が行われ、個人事業者の保護の在り方についても、今後議論が予定されている旨、ご報告をいただきました。
 
  続いて、樋口政純・厚生労働省労働基準局安全衛生部計画課調査官より、「第13次労働災害防止計画の評価と第14次に向けた課題」について、ご講演をいただきました。第13次労働災害防止計画(2017~2022年)では死亡者数はすべての重点業種(建設業、製造行、林業)で減少しました。しかし、死傷者数(休業4日以上)は増加となり、その増加要因は高齢化、第三次産業化、新型コロナウイルス感染症による影響と推察される旨、ご報告をいただきました 。
 
 集会の後半は、「職場からの事例報告」として、3名の参加者の方よりご報告をいただきました。
 
  平川達斎・基幹労連中央執行委員からは、労働災害防止活動として、死亡災害速報の発行による情報の水平展開、いわゆる春季生活闘争での企業側への要請、安全ポスターの募集と配布、労使懇談会(業界団体・業種別)の拡充、講演会開催等によるメンタルヘルス対策などの取り組みについてご報告をいただきました。
 
 髙橋義和・UAゼンセン労働条件局部長からは、死亡災害の増加を受け、安全衛生活動を強化するため、安全衛生活動実施計画の策定やチェックリストを用いた自主点検などによるPDCAの定着についてご紹介いただきました。併せて情報提供・啓発活動の強化、地方に出向くといった人材育成活動の充実についてもご報告いただきました。
 
 鶴亀德之介・連合愛知 安全衛生センター所長からは、チェックシート付チラシの配布や心の相談室の設置等による労災の未然防止に向けた活動、安全衛生ハンドブックの発行やHPのリニューアル等による情報提供と啓発活動、労組専従役職員や一人専従委員長の労災保険組合への加入促進等の取り組みについてご報告いただきました。

 その後、登壇者からの報告を踏まえ、会場参加者と活発な意見交換を行いました。

 最後に、2022集会が参加者皆様の今後の取り組みの参考となり、労働災害のない職場へと繋がることを期待して、小菅労働法制局局長が締めくくり、終了しました。
  • 厚労省 船井雄一郎課長補佐
  • 厚労省 樋口政純調査官
  • 事例報告(基幹労連 平川達斎中央執行委員)
  • 事例報告(UAゼンセン 高橋義和労働条件局部長)
  • 事例報告(連合愛知 鶴亀安全衛生センター所長)