2022平和ノサップ集会
連合は、9月10日から11日にかけて「2022平和行動in根室」(後援:
外務省・
内閣府(北方対策本部)・
独立行政法人北方領土問題対策協会)を、学習会会場の分散や参加定員を設けるなど新型コロナウイルス感染症対策を講じて、3年振りに現地・根室市で開催しました。
9月10日(1日目):北方四島学習会
北方領土問題に対する理解を深め、北方領土返還要求運動を進めるため、北方領土問題の経緯や現状、課題と展望について学び、元島民が故郷・北方四島に寄せる想いなどを聞く「北方四島学習会」を3会場に分散して開催しました。
Aコース(参加:128名)
場所
北海道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)2階「交流センター」
内容 (1)「北方四島の自然と領土問題」
講師 本間浩昭氏(毎日新聞記者、
特定非営利活動法人北の海の動物センター理事)
(2)「海から考える北方領土返還運動」
講師 山田吉彦氏(東海大学静岡キャンパス長(学長補佐)、
東海大学海洋学部海洋理工学科教授)
Bコース(参加:125名)
場所
根室市総合文化会館1階「小ホール」
内容 (1) 映画『ジョバンニの島』上映
(2)「ふるさと北方四島への想い」
講師 奥泉一子 氏(元島民、択捉島出身)
児玉泰子 氏(北方領土返還要求運動連絡協議会事務局長、
元島民、歯舞群島・志発島出身)
Cコース(参加:140名)
場所
ベルクラシック根室1階「リバージュ」
内容 (1)「プーチンの戦争の衝撃と北方領土問題」
講師 石川一洋 氏(ジャーナリスト)
(2)「北方四島の自然と領土問題」
講師 本間浩昭氏(毎日新聞記者、
特定非営利活動法人北の海の動物センター理事)
9月11日(2日目):2022平和ノサップ集会(参加:518名)
「2022平和ノサップ集会」を、納沙布岬・望郷の岬公園で、「北方領土(択捉島、
国後島、色丹島、歯舞群島)の返還!故郷への想いをつなごう!四島交流を進めよう!」
をテーマに開催しました。
(1)主催者挨拶 芳野友子・連合会長
・「平和で安心な社会」は、私たちが暮らし働く上で絶対に欠かすことができない。
平和を求め、平和を守る。今も昔も、そしてこれから先も、平和は、連合が労働
運動に取り組む上で大きな柱となっている。
・北方四島の一括返還と日ロ平和条約の締結を通じて、北方領土問題を早期に解決
し、真の意味での戦後を迎えよう。
・北方四島のうち、ここ納沙布岬から最も近い「貝殻島」まではわずか3.7キロ。
まさに目と鼻の先であるが、今は、遠い遠い距離となってしまっている。
納沙布岬から北方四島を眺めれば、改めてその「近さ」が実感できる筈である。
・元島民の皆様は、その近い近い故郷に戻りたくても戻れない。77年間、ずっと
苦しんでこられた。元島民の方々に残された時間は決して長くはない。日本政府
には、この現実を重く受け止め1日も早い北方領土問題解決に向けて、粘り強い
外交努力を求める。
・世界の恒久平和の実現に向けて、一緒に平和運動の輪を広げていこう。
(2)地元挨拶 杉山 元・連合北海道会長
・北方四島を含むロシア極東での大規模軍事演習の実施は、地域の軍事的緊張を
高めるものでしかない。平和は武力ではなく、対話による平和的外交でしか創り出
すことができない。
・北方領土返還のため、77年前に何があったのか、根室の地で学び、納沙布岬で感
じたことを職場や地域に伝えて欲しい。
(3)来賓挨拶 小玉俊宏・北海道副知事(鈴木直道・北海道知事挨拶代読)
・ロシアによる一方的な交渉中断や協定破棄が起こっている状況にあるからこそ、
返還運動の歩みを止めず、外交交渉を支える国民世論の結集と高揚をはかる粘り強
い返還運動が大切である。
・北方領土を行政区内に抱える北海道はもとより、全国各地で返還運動に取り組まれ
返還への気運が高まるようお力添えをお願いしたい。
(4)来賓挨拶 石垣雅敏・根室市長
・1945年8月15日の正午、玉音放送を聴き、北方四島や根室の住民は「戦争が終わっ
た。これでまた海に出られる」との思いを抱いたが、数日で打ち砕かれた。
以来、拿捕・銃撃に怯えながらの「忍従の海」として、77回目の夏を終えようと
している。
・北方領土返還要求運動は私の10代前、当時の安藤石典・根室町長がGHQに北方
領土問題解決の陳情書を提出したことに始まる。この志が元島民や隣接住民の想い
を核に、多くの人によって受け継がれ、全国的な運動へと展開した。
・ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、平和条約交渉が中断、交流事業も停止、
人道的見地による北方墓参も見送りとなった。積み上げてきた歴史の針を戻すよう
な現状を見るに、悔しさと怒りを禁じ得ない。
・この30年間にわたる交流の扉は閉じても閉じ切れるものではないと信じている。
・ウクライナの状況について元島民の中にはご自身の体験と重ね合わせ、やるせない
想いを抱かれる方もいらっしゃる。
・根室と北方領土の距離、戦前も今も一寸も変わっていない。変えたのは人のなせる
技であり、これは人が変えることができる。安藤石典が使った返還運動の魂であ
る。
・連合の皆様にはその前身時代から北方領土問題に取り組まれ、励まされた。
地域エゴや政治的と言われた返還運動について、根室市民に「大きな声で訴えて
いいんだ。必要な叫びなんだ」と導いていただいた。平和を希求し、正義を貫く
連合の想いに、心から敬意と感謝を申し上げる。
(5)来賓挨拶 諸星 衛・北方領土問題対策協会理事長
・返還運動を巡る状況が激変する中、本日の集会はこれまでとは違う非常に重要な
意義を持っているし、評価されるべきものと考える。
・北方領土問題の解決は国家の存立に関わる問題である。連合が2月7日の北方領土
返還要求全国大会で主導的な役割を担い、12月1日の北方領土返還要求中央アピー
ル行動に参加するなど、その団結力を活かした返還運動の牽引に敬意を表する。
(6)来賓紹介 児玉泰子・北方領土返還要求運動連絡協議会事務局長
(7)元島民の訴え 鈴木咲子氏(元島民、択捉島出身)
・ソ連軍による択捉島占拠後、村の様子が占拠前と異なっていることを子ども心に
感じ取っていた。しかし、強制退去までの間、日本人とロシア人が共生する中、
お互いに啀み合うことはなかったことが想い出の中では救いになっている。
・その後年月が過ぎて、かけがえのない故郷を奪われた悲しさや悔しさに駆り立て
られるように、元島民は心を一つにして、返還運動に参加してきた。
・ロシアが北方四島訪問の協定を破棄した中でも、北方墓参については触れていない
ことには希望があると思った。日本政府にはロシアとの交渉を継続し、来年からは
お墓参りができるようにお願いしたい。孫たちを北方四島に連れていき、北方領土
問題について孫たちが関心を持てる機会を与えたい。
(8)特別報告(竹島問題) 黒目敏行・連合島根副事務局長
連合島根、連合中国ブロック連絡会が取り組んでいる「竹島領土権確立に向けた
取り組み」について、特別報告を行った。
(9)ピースリレー
杉山元・連合北海道会長から次の平和行動開催地の砂川安弘・連合沖縄事務局長へ
と平和の旗(ピースフラッグ)が引き継がれ、砂川事務局長より「平和運動in沖縄】
に向けての決意が述べられました。
(10)集会アピール
石橋京将・連合北海道根室地区連合会副会長が集会アピール(案)を読み上げ、
参加者の総意によって採択しました。
(11)がんばろう三唱
最後に、淺野康敏・連合北海道釧根地域協議会会長の発声による「がんばろう三
唱」で集会を終了しました。
※なお、当日のアーカイブ動画は、下記をご覧ください。
【
2022平和ノサップ集会】
https://www.youtube.com/watch?v=sO_61LeTBLQ
また、連合の「北方領土返還要求運動」は、下記をご覧ください。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/kizuna/peace/hoppou.html
連合は、これからも恒久平和を求めて運動を続けていきます。