2022年08月24日
政府「GX実行会議」第2回会合が開催
芳野会長が出席し、日本のエネルギー安定供給の再構築に関して意見表明
政府の「GX実行会議」(議長:岸田総理大臣)の第2回会合が8月24日午後に総理官邸で開催され、連合から芳野会長が構成員として出席しました。今回の会合では「日本のエネルギーの安定供給の再構築」が論点となり、出席者から意見が述べられました。
芳野会長は、次の意見を述べました。
[足元の危機的状況について]
・エネルギーをめぐる足元の危機は、さまざまな産業で働く労働者や国民生活に影響を与えている。これは、エネルギー政策の決断の遅れにも起因する。
・エネルギーの安定供給は、日本において生産活動を行う上での大前提。「S+3E」の堅持しつつ、政府の責任で現在の危機的状況を打開するため、あらゆる選択肢を検討し実行してほしい。
・特に、原子力の既存施設の活用は、国の責任で安全性の強化・確認を行い、周辺自治体を含む住民合意と国民理解へ説明責任を果たすべき。
[遅滞分野解消のための政治決断について]
・エネルギー政策においては、インフラだけでなく、蓄電、次世代燃料、化石燃料の高度利用など、より環境負荷の低い技術への大胆な投資が必要。特に、再生可能エネルギーは、原子力の依存度低減を担う重要な代替エネルギーであり、大量導入が可能な電源の確保と安定性の確立、低廉な価格、信頼性の向上に向けた取り組みが必要。
・技術の開発と技能伝承のための人財の確保とともに、中長期的にはグリーンでディーセントな雇用を生み出すため、政府のイニシアティブで「公正な移行」のための委員会等を設置し、政労使など関係当事者参画のもと雇用などの課題を洗い出し、課題横断的に対応すべき。
会議の最後に岸田総理は「GXとエネルギー安定供給は車の両輪。足元のエネルギー危機を克服したうえGXを両立させ、国民生活のへの影響を最小化させるため事前に対策を検討し、不測の事態にも備える」として、原子力エネルギーの活用や再生可能エネルギーの安定性、電力の系統整備、天然ガスの融通などについて「遅滞解消は急務。年末までに結論を出すべく、検討を加速化させてほしい」とまとめました。