連合ニュース 2022年

 
2022年08月13日
2022平和行動in長崎を開催
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう~
清水秀行 連合事務局長による主催者挨拶
 連合は、8月8日そして長崎に原爆が投下された8月9日にかけて、「2022平和行動in長崎」を開催しました。
 
<8月8日(1日目)>
【被爆77年2022平和ナガサキ集会】
 長崎県立総合体育館「メインアリーナ」で、ヒロシマ集会と同じく「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう」をテーマに、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)の共催のほか、長崎県、長崎市、平和首長会議や全国のNPO・NGOなど多くの団体から後援をいただき開催しました。
 新型コロナウイルス感染症対策の観点から、参加人数の制限や座席間隔を空けることなど感染対策を徹底した中で、全国の構成組織・地方連合会から1115名が参加しました。
 
 開会挨拶として髙藤義弘・連合長崎会長は、現下の核兵器を巡る情勢に触れた上で「これまでの世界の核兵器廃絶の動きに逆行して、核兵器の脅威は無くなるどころか、すぐそこまで来ています。核兵器廃絶の大きなうねりを再度呼び戻すためにも本集会の役割は大きく、今回の行動を通じ、77年前、長崎で何が起きたのか心に刻んでください。もがき苦しむ人々に想いを馳せた時、二度と繰り返さない、地球上に核兵器はいらないと誰もが感じるはずです。核兵器の最後の一発が無くなるまで、ともに頑張っていきましょう」と述べました。
 続いて、参加者全員で黙とうを行ったあと、主催者挨拶として清水秀行・連合事務局長は「私たち連合は、結成以来、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けて、取り組みを重ねてきました。今なお続く、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対しては、連合として厳しく非難するとともに、即時の作戦中止・撤退と核兵器反対・恒久平和を強く求めていることを、先ずは申し上げておきたいと思います。核兵器の廃絶について、まさに今、NPT再検討会議が開催されており、8月1日に岸田首相が、日本の首相として初めて会議に出席し、NPT体制の維持・強化に向けて各国に建設的な対応を呼びかけました。日本は、核兵器保有国と非保有国の「橋渡し役」を自認するのであれば、岸田首相の計画を早期に実行し、核兵器禁止条約の批准と、NPT再検討会議の議論をリードすることを両輪として、核兵器廃絶に向けた取り組みを進めるべきです。今、世界が、平和への歩みを、続けることができるか否かを問われています。私たち一人ひとりが、改めて戦争の実相を学んだ上で、本日ご参加の平和団体や志を同じくする皆様とともに、国際的な運動をけん引していかなければなりません。」と述べました。
 ご来賓として、田上富久・長崎市長/平和首長会議副議長より、核兵器禁止条約締約国会議やNPT再検討会議に参加したことを触れた上で「核兵器廃絶には、これからの若い世代の取り組みが重要であり、しっかりとバトンを渡していかなければならない。あきらめることなく活動を続けていくことが我々にできる最大の活動である。これからも平和を築くパートナーとして様々な活動をそれぞれの分野でともに進めていきたい」との挨拶がありました。また、シャラン・バロウ・国際労働組合総連合(ITUC)書記長から寄せられたビデオメッセージが上映されました。
 被爆者の訴えとして、(公財)長崎平和推進協会・継承部会の三瀬清一朗様より被爆当時の状況をお話いただくとともに「平和は人類共通の世界遺産である」との訴えをいただきました。
 長崎大学核兵器廃絶センター(通称RECNA)の吉田文彦センター長より「ウクライナ危機後の核軍縮」と題して講演をいただき、「核兵器廃絶への道筋が混迷を深める中、核兵器禁止条約の価値を世界的に共有することや、NPT再検討会議を活用して条約が機能していることを示すことの重要性を指摘しつつ、政府任せにせず市民社会も第3の被爆地を生まぬまま核兵器廃絶が達成できるよう取り組みを進めることが求められる。」と述べられました。
 「若者からのメッセージ~次世代への継承~」として、ナガサキ・ユース代表団10期生を代表して猪原彩美さん、福永楓さん、第25代高校生平和大使を代表し田原夏美さんから、活動報告と決意表明が行われました。
 最後に角﨑孝大・連合長崎青年委員長の平和アピールが満場一致の拍手で採択されたあと、平和行動in根室に向けて髙藤義弘・連合長崎会長から千葉利裕・連合北海道副会長へピースフラッグが引き継がれ、閉会しました。
 
 なお、平和ナガサキ集会に先立ち、連合代表団と田上富久・長崎市長/平和首長会議副議長との懇談を実施しました。
 
 平和ナガサキ集会の様子は、下記よりご覧ください
  <平和ナガサキ集会 視聴URL>
   https://youtu.be/I-Jd4dX6gOM
 
<8月9日(2日目)>:【ピースウォーク】【万灯流し】
【ピースウォーク】
 連合長崎の青年委員会・女性委員会メンバーが「ピースガイド」として案内役を務め、原爆落下中心地公園・平和公園内の原爆慰霊碑や記念碑を巡る「ピースウォーク」を実施し、全国から310名が参加し、慰霊碑や記念碑の由来、長崎の歴史について理解を深めました。
 また、受付周辺において原爆パネル展を併設し、ピースウォーク参加者を含む多くの方々が訪れました。
 
【万灯流し】
 夜には、長崎原爆殉難者慰霊奉賛会ならびに城山連合自治会が主催し、連合も協賛として運営に協力する「万灯流し」が、長崎市松山町にて行われました。参加した約270名の連合の組合員はじめ地元住民は、浦上川をやまらかく照らす万灯を見ながら鎮魂の想いを胸に原爆で犠牲になった方々への祈りを捧げました。
 なお、万灯流しは、2021年より新型コロナウイルス感染拡大防止のため、川に流すことを中止し、浦上川沿いに供えることによって取り行われています。爆心地の近くを流れる浦上川は原爆の熱線に焼かれた多くの人が水を求めながら命を落とされた場所です。

 ※平和を願う万灯流し 水を求めて亡くなった原爆犠牲者を追悼【長崎県長崎市】|ニュース|KTNテレビ長崎
 ※水を求めた原爆犠牲者を慰霊 浦上川で万灯流し【長崎】 | TBS NEWS DIG
  
【長崎市主催「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」】
 10時40より平和公園(平和祈念像前広場)にて開催された式典に、連合組合員を代表して清水秀行・連合事務局長、髙藤義弘・連合長崎会長、大野真人・連合広島会長が参加しました。式典終了後、3者により献花を行い、戦争で亡くなられた方々への慰霊と平和への祈りを捧げました。
  • 髙藤義弘 連合長崎会長による開会挨拶
  • 田上富久 長崎市長・平和首長会議副議長による来賓挨拶
  • 三瀬清一朗さんによる被爆者の訴え
  • 吉田文彦 長崎大学核兵器廃絶センター長による講演
  • ナガサキ・ユース代表団によるメッセージ
  • 高校生平和大使によるメッセージ
  • 角崎孝大 連合長崎青年委員会委員長による平和アピール
  • 連合長崎から連合北海道へのピースフラッグリレー
  • 千葉利裕 連合北海道副会長による平和メッセージ
  • 連合長崎青年委員・執行委員によるフィナーレ(For The Peace of World)
  • ピースウォークの様子
  • ピースウォークの様子
  • 平和への願いを書いた万灯を供える参加者の皆さん
  • 万灯流しの様子