連合ニュース 2022年

 
2022年07月21日
外務省に対し、連合の重点政策を要請
要請書手交の様子
 連合は7月21日、外務省に対して、「2022年度連合の重点政策」に関する要請を実施しました。
 
 冒頭、清水事務局長が林外務大臣宛ての要請書を三宅外務大臣政務官に手交し、連合重点政策の外交政策などへの反映を求めました。その中で、連合が長年取り組んでいる国際労働機関(ILO)の中核的労働基準・条約の批准に関して、日本が未批准となっている第111号条約(差別待遇(雇用・職業))をはじめ、早期に批准の手続きを進めるよう要請しました。
 
 その後、則松副事務局長から国際政策に関する重点政策の項目、および要求と提言のポイントについて概説し、とりわけ以下の点を強調しました。
 
〇人権や労働者の権利を侵害している国に対し、ILOなどの国際機関や関係諸国と連携し、改善につながる措置を強化する。そのうえで、ミャンマー国軍に対する毅然とした対応を行い、民主化の進展を着実に進めるための積極的な支援を実施する。
・ミャンマー軍事政権(junta)を政府として認証しない。
・ミャンマー国民統一政府(NUG)を政府として認証する。
・不当に拘束されているミャンマー国民の即時解放を求める。
・ミャンマー国内の邦人保護を強化する。
〇2020年10月に日本国政府が発表した「ビジネスと人権に関する国別行動計画」に基づき、中国における人権問題などへの対応として、日系企業のサプライチェーンにおけるデューデリジェンスの支援強化、および日本NCP(ナショナル・コンタクト・ポイント)の運用改善と機能強化を図る。
 
 その後の意見交換では、清水事務局長から、2023年5月19日~21日に広島で開催されるG7サミットに関し、公正なグローバル化を通じた持続可能な社会の実現などに向け、連合がホストするL7サミット(2022年4月~5月、東京開催予定)への協力を要請しました。
 
 これらを受け、三宅外務大臣政務官は、長年にわたる連合からのアタッシェ派遣などへの感謝とともに、①ILO第105号条約については、去る7月19日に批准書をILO事務局長に寄託したこと(発効は1年後)、②ILO第111号条約については、公務員の政治的見解の表明に対する制限など、国内法との整合性を検討する必要があるものの、諸外国に引けをとる状況は好ましくないと認識していること、③ミャンマーについては、暴力の即時停止を求めるとともに、一丁目一番地の取り組みである邦人保護に引き続き全力を尽くすこと、④ビジネスと人権については、連合などとの意見交換やNCPの改善・強化につとめていくこと、⑤L7については、G7のエンゲージグループでもあり、外務省としての関与の仕方を検討する一方、内閣総理大臣への声明の手交要望については、首相官邸に伝達する旨の返答がありました。