連合ニュース 2022年

 
2022年06月28日
2022平和行動in沖縄を開催
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で恒久平和の実現を~
2022平和オキナワ集会
 連合は、沖縄「慰霊の日」である6月23日から24日にかけて「2022平和行動in沖縄」を2019年以来3年振りに現地・沖縄県で開催しました。

6月23日(1日目):2022平和オキナワ集会
 「2022平和オキナワ集会」を、那覇文化芸術劇場なはーと「大劇場」で、「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で恒久平和を実現しよう」をテーマに開催しました。
 今回は新型コロナウイルス感染症対策の観点から、参加人数を会場定員の約半分に制限したほか、集会時間を短縮し、座席間隔を空けることやマスク着用などの感染対策を講じて開催しました。このような中、全国の構成組織・地方連合会から742名が参加しました。

第1部 基調講演
 明田川融・法政大学法学部政治学科教授より「沖縄の施政権返還50年と日米地位協定」をテーマに、基調講演をいただきました。
 講演の中では、まず最初に日米行政協定より始まった日米地位協定の歴史的経緯に関する説明がありました。
 次に、日米地位協定の問題点として、(1) 全土基地方式、(2) 排他的管理権、(3) 区域外演習、(4) 検疫、(5) 国内法の不適用、(6) 日本側の一次裁判権放棄密約、(7) 米兵等被疑者の身柄引き渡し、(8) 日米合同委員会、の大きく8点について、それぞれ事例も含めて詳細な説明があるとともに、NATO諸国での対応との比較についても紹介がありました。
 また、今後に向けた取り組みとして、在日米軍基地問題を抱える地域間での横の連携や情報共有を進めることが重要との指摘がなされたところです。
 最後に、連合に対する期待・要望として、(1) 連合が全駐労も交えて策定した「日米地位協定の抜本見直しに向けた連合要求」の周知、特に在日米軍基地で働く人たちの雇用問題・労働条件に関する周知を進めること、(2) 日米地位協定の抜本的見直しを求める候補者を支持すること、の2点が述べられました。

第2部 平和式典
 冒頭、沖縄戦で亡くなられた御霊と世界中で起きている戦争や紛争で尊い命を落とされた方々のご冥福をお祈りし、参加者全員で黙祷を行いました。芳野友子・連合会長は主催者挨拶として「参議院選挙が公示され、私も、全国各地から応援演説の要請を受けています。しかし、私は今日のこの集会を優先しました。平和で安心な社会。これは、私たちが暮らし、働く上で絶対に欠かすことができないからです」「在日米軍基地や日米地位協定は、沖縄だけの問題ではないのです。日本全体の問題です。日本に暮らし、働く私たちみんなの課題なのです」「連合はこれからも『在日米軍基地の整理・縮小』と『日米地位協定の抜本的見直し』」を掲げ、運動を続けてまいります」「そして、世界の恒久平和の実現に向けて、平和運動の輪を一緒に広げていきましょう」と述べました。
 次に、東盛政行・沖縄会長から「今年は戦後77年、沖縄の本土復帰50年という節目の年を迎えました」「しかし今もなお、国土面積0.6%の沖縄県に米軍専用施設の70%が押し付けられています」「後を絶たない米軍人・軍属による事件・事故や辺野古新基地の建設など、沖縄は今も不条理が続いてます」「私たち沖縄県民の願いは再び世界に戦禍の起こることがないこと、ウクライナへの軍事侵攻が早期に終結すること、人類普遍の願いである恒久平和と『命どぅ宝』を全国の皆さんとともに希求することです」との地元挨拶が行われました。
 続いて、玉城デニー・沖縄県知事より「沖縄県として、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減と一日も早い普天間飛行場の県外移設、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めてまいります」「基地返還が基地従業員の雇用不安や労働条件の低下につながることのないよう、日本政府に働きかけています」「戦争の不条理さや残酷さを体験した沖縄だからこそ、平和を希求する沖縄のこころ『チムグクル』を世界に発信し、共有することを呼びかけます」「沖縄の先人たちが積み上げてきた、平和に対する努力の成果を次世代にしっかりとつなげ、誰一人取り残すことのない平和で誇りある沖縄の実現のために頑張ってまいります」との来賓挨拶があり、その後に沖縄県選出国会議員の来賓紹介がありました。
 次いで、沖縄の前に平和4行動を開催した北海道を代表して千葉利裕・連合北海道副会長より平和メッセージが述べられた後、東盛政行・連合沖縄会長から大野真人・連合広島会長へと平和の旗(ピースフラッグ)が手渡され、次に平和4行動を開催する広島を代表して大野連合広島会長より平和運動に向けての決意が述べられました。
 最後に、堀川恵・連合沖縄女性委員会幹事から平和アピール(案)を読み上げ、満場一致で採択し、集会を終了しました。

 なお、当日のアーカイブ動画は、下記をご覧ください。
    https://www.youtube.com/watch?v=nT2U-ixoASs

 また、連合の「米軍基地問題に対する活動」は、下記をご覧ください。
    https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/kizuna/peace/us-bace.html

6月24日(2日目):ピースフィールドワーク
 在日米軍基地の実情や南部戦跡を視察・学習する「ピースフィールドワーク(現地視察学習)」を実施し、計336名が参加しました。
 各所を説明する「ピースガイド」は、連合沖縄の青年委員会および女性委員会に加え、連合大分の青年委員会が担当しました。
  A(在日米軍基地)コース(計137名)
    瀬嵩の浜(辺野古、在日米海兵隊・キャンプシュワブ)
    →道の駅かでな(在日米空軍・嘉手納飛行場)
    →チビチリガマ
    →嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)
  B(南部戦跡)コース(計86名)
    嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)
    →旧海軍司令部壕
    →ひめゆりの塔/ひめゆり平和祈念資料館
    →平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館
    →魂魄の塔
  C(南部戦跡)コース(計113名)
    糸数アブチラガマ(入壕)
    →魂魄の塔
    →平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館
    →ひめゆりの塔/ひめゆり平和祈念資料館

 2022年の平和4行動がいよいよスタートしました。8月の広島・長崎、9月の根室と、平和行動を通じ、平和へ寄せる連合の想いをつなげていきます。
  • 明田川 融・法政大学教授による基調講演
  • 芳野友子・連合会長による主催者挨拶
  • 東盛政行・連合沖縄会長による地元挨拶
  • 玉城デニー・沖縄県知事による来賓挨拶
  • 千葉利裕・連合北海道副会長による平和メッセージ
  • 連合沖縄から連合広島へのピースリレー
  • 大野真人・連合広島会長による平和メッセージ
  • 堀川 恵・連合沖縄女性委員会幹事による平和アピール提案
  • 瀬嵩の浜から辺野古飛行場建設現場を望む
  • チビチリガマ(集団自決の地)で黙祷
  • 嘉数高台から普天間飛行場を望む
  • ひめゆりの塔
  • 魂魄の塔
  • 平和祈念公園・平和の火