連合ニュース 2022年

 
2022年04月30日
第93回メーデー中央大会を開催
~一人ひとりが尊重される 多様性を認め合う社会をめざし みんなが輝く未来をつくろう!~
芳野 友子 メーデー中央実行委員長
 4月29日(金・祝)、第93回メーデー中央大会を東京・代々木公園において開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から参加者数に制限があるなか、約4,800名の働く仲間が3年ぶりに一堂に集まり、労働条件の改善、人権の確立、平和への想いなど共有し、つながること、結集することの重要性を再確認しました。また、イベント会場では、出展ブースとして40を超える団体による活動紹介や関連品販売などが行われるとともに、バルーンパフォーマンスプレゼントや大道芸の披露など、こどもイベントも開催されました。

 中央式典は、杉浦賢次中央実行副委員長(連合東京会長)による開会宣言により始まり、芳野友子中央実行委員長(連合会長)が主催者を代表して挨拶しました。芳野会長は、冒頭、ロシアによるウクライナ軍事侵攻について「子どもを含む多くの民間人が無差別に攻撃され、平和なくらしが壊されています。ロシアによる軍事侵攻は、国際平和と秩序に対する暴挙であり、改めて厳しく非難し、即時撤退を強く求めます」と訴えました。また、新型コロナウイルスによる社会・経済活動の停滞に加え、資源高や供給制約、円安などによる物価上昇の影響が懸念される状況に対し、「不確実な状況にある今こそ、底上げ・底支え・格差是正、人への投資、社会的セーフティネットの強化につながる政策・制度を通じて、雇用とくらしを守り、将来の希望につなげることが重要です。春季生活闘争においても、多くの中小組合の仲間が今まさに正念場の交渉を懸命に展開しています。この交渉を全体で支援し、これまで生み出してきた『賃上げの流れ』を最後まで継続させ、日本全体へ広げていかなければなりません」と述べました。挨拶の最後に「内外の情勢が不確実な時こそ、あらためてメーデーの意義を確認し、働くことを軸とする安心社会に向けて、ともに進んで行こうではありませんか」と呼びかけました。

 来賓挨拶では、政府を代表して松野博一内閣官房長官が「かつて労働政策は経済政策に従属的なものとされていたが、今日、雇用・労働政策は社会・経済政策を牽引するものとなっています。これには連合の活動も大きく貢献しているものと思っています。人への投資を起点とした成長と分配の好循環の実現に向け、これまで以上のご支援・ご協力をお願いします」と述べました。
 次いで、労働行政を代表して後藤茂之厚生労働大臣は「成長と分配の好循環を実現するためには、持続的な賃金の引上げとそれを支える生産性や労働分配率の向上が必要になります。賃上げを可能とする条件を支えられる労働政策を実行していきます」と述べました。
 続いて、メーデー中央大会を後援している東京都から、小池百合子知事が「組合員の皆様には、都民の生活を支える現場で尽力いただいている。私は現場を守る労働者の皆様をしっかりと支え、迅速に政策を実行していきます」と述べました。
 また、来賓・協賛団体代表として、中央労福協・南部美智代事務局長、ろうきん協会・中江公人理事長、こくみん共済 coop・廣田正巳代表理事理事長、日本生協連・土屋敏夫代表理事会長、日本退職者連合・人見一夫会長をご紹介しました。

 働く者からのアピールとして、航空産業で働く皆川知果さん(航空連合 JAL労働組合)が、「コロナ禍においても、空の安全を守り、安心な商品・サービスの提供に懸命に向き合っている仲間が全国にいます。皆さん、旅行に行きましょう!そして、飛行機にのってください!空港で、機内で、ホテルで、我々の仲間が皆様をお待ちしています!」と訴えました。
 
 続いて、非正規雇用で働く者からのアピールとして、八王子市で学校司書として働く橋爪ゆりさん(自治労 八王子市臨時・非常勤職員組合)は、「八王子市では交渉の結果、会計年度任用職員であっても職がある限り雇用年限なしとなり、継続的に働くことを踏まえた昇給の仕組みも入れることができました。これは諸先輩方が長年にわたり組合で声を上げ続けてきたこと、そして正規職員の組合の協力があったからこそだと思っています。組合活動を進める中、私たち非正規で働く者こそ組合が必要だと思っています。」と労働組合の重要性について訴えました。
 
 また、連合では2022年4月を「みんなでつながる!フリーランス月間(みん!フリ)」と位置づけ、フリーランスとして働く人々が安心して働くことのできる環境づくりのため、課題解決に向けた取り組みなどを一緒に考える期間としています。今年のメーデーでは、フリーランスとして働く方々を代表して、SAORIさん(NPO法人 映画業界で働く女性を守る会代表)さんから、「映画が好きで映画業界に入ったのに、不規則な就業状況で映画を見に行く時間も体力もない状態である。私は産休・育休期間に異業種の方々と交流し、知識を得たことでNPO立ち上げに至った。まずは映画業界で働く人々の意識を変える取り組みをしている。課題は多いが、楽しさややりがいも多い。映画業界で働く仲間が安心して働く、仕事も子ども諦めなくてよい業界にしていきたい」と映画業界でフリーランスとして働く人々の状況について話されました。
 
 さらに、ロシアの軍事侵攻により多くの被害が発生しているウクライナ出身のドゥブニコバ・ヤンナさん(一橋大学大学院在学中)が、「戦争があってはなりません。新生児を殺す戦争を始める人、妊婦を殺す戦争を応援する人、病院や学校を壊す戦争に協力する人、地球を滅ぼす戦争から利益を得る人たちを許してはなりません。それらの人は一生償っても償い足りない大罪を犯しています。Ні війні.戦争反対!」との切実な訴えがあり、参加者は改めて即時の紛争終結とウクライナ国民への連帯の気持ち、世界の恒久平和に向けた想いを一つにしました。
 それぞれのアピールに対して、参加者はアピールクロスを一同に振り想いを共有しました。
 
 最後に、小林郁子メーデー常任実行委員(自治労)がメーデー宣言(案)を提案し、満場の拍手で採択され、式典は、梅沢草太メーデー常任実行委員(UAゼンセン)のがんばろう三唱で閉会しました。
 
 なお、第93回メーデー中央大会の模様は、以下のURLよりご覧いただけますので、是非ともご視聴ください。
 
 URL:https://www.youtube.com/watch?v=uJY74j8XaK4
  • 杉浦 賢次 メーデー中央副実行委員長
  • 松野 博一 内閣官房長官
  • 後藤 茂之 厚生労働大臣
  • 小池 百合子 東京都知事
  • 来賓・協賛団体紹介
  • 皆川 知果 さん
  • 橋爪 ゆり さん
  • SAORI さん
  • ドゥブニコバ・ヤンナ さん
  • 小林 郁子 メーデー常任実行委員
  • 梅沢 草太 メーデー常任実行委員
  • がんばろう三唱
  • 出展ブースの様子
  • バルーンパフォーマンスプレゼント