連合ニュース 2022年

 
2022年04月13日
「中同協と連合との意見交換会」を開催
連合・清水事務局長
 連合は、2022年4月13日、中小企業家同友会全国協議会(以降、中同協)との意見交換会を開催し、原材料等の価格転嫁と労務費の価格転嫁、人を生かす経営、中小企業と地域活性化策、について意見交換を行いました。
冒頭、清水事務局長は、ウクライナ情勢について、「ウクライナの労働者や市民の安全は完全に脅かされており、核兵器使用の恐怖が指摘されている中で、唯一の戦争被爆国である日本の労働組合である連合は、ロシアによる武力侵攻の即時の撤退と停戦を強く求めるとともに、国際労働組合総連合(ITUC)やウクライナの労働組合との連携を一層強化し、地域の平和と安定を強く求めていきたい。」と述べました。
 また、「中同協とはそれぞれの地域において、中小企業を支える労使の立場で連携をさせていただいている。今回で8回目の意見交換となるが、昨年7月には、中同協の魅力発信月間のキックオフ行事に連合からも参加させていただいた。これまで積み上げてきた協力関係からも「笑顔と元気のプラットフォーム」の枠組みを活かしていくとともに、今後も中同協と連合のさらなる力強い連携を望む。」と述べました。
 2022春季生活闘争の回答状況については、「4月1日時点で、300人未満の賃上げ分が明確に分かる中小組合では、額、率ともに全体を上回っている状況にあり、先行組合の「賃上げの流れ」を、中小組合がしっかり引継ぎ、月例賃金にこだわり、「働きの価値に見合った賃金水準」をめざして粘り強く交渉している結果だと捉え、この流れを今後につなげて行くことが必要と考えている。」と述べました。
 最後に、「経済活力の源泉である中小企業とそこで働く人たちが、その力を存分に発揮できる環境づくりが大切。『笑顔と元気のプラットフォーム』を通して、中同協と連合が、中小企業の経営基盤の強化と、地域活性化に向けて共に取り組んでいくことをお願いしたい。」と、開会にあたり挨拶しました。
 
 中同協の広浜会長は、「第8回となった意見交換会は、毎回会を重ねるごとに同友会への理解がかなり深まり、私どもの運動を後押ししていただいているところが沢山あり、感謝申し上げる。」と述べたうえで、ウクライナ情勢に触れ、「自由と民主主義の危機であるということで、会長談話を出させていただいたところである」と述べました。
同友会の考え方は、「あくまでも自助努力で頑張ろうという事を大事にしている。中小企業家として、各企業の社長が誇りを持って事業に携わるためにも自己研鑽をしていくことと、人間尊重を大切にしているが、ただ単に甘やかすことではなく、努力していこうという人間尊重という考え方である。しかし、自力では、どう頑張っても報われない経営環境もあるので、そのためにも公正な取引が必要である」と述べました。地域活性化については、「地域が疲弊していくと、人がいなくなり企業も存続できなくなる。地域活性化のためにも、中小企業振興基本条例の制定を促す運動をしている。連合の後押しもあり、中同協も頑張り、47都道府県に制定された。この意見交換会の効果も具体的に出ていると感じているので、本日も、有意義な意見交換会となるようよろしくお願いしたい。」と挨拶されました。
 
 両組織からの取り組み報告では、連合から、2022春季生活闘争についてと、適正な取引による価格転嫁の課題とパートナーシップ構築宣言について報告し、中同協からは、新型コロナウイルスに関する国への緊急要望アンケート結果、新型コロナウイルスに関する第10次緊急要望・提言、中小企業魅力発信月間の取り組み、働く環境づくり月間の取り組みについてそれぞれ報告がありました。
 
 続いて、テーマにもとづいて見交換を行いました。
 原材料等の価格転嫁と労務費の価格転嫁についての意見交換は、中同協から「パートナーシップ構築宣言の効果が出てきているのではないか。」という意見がある一方、実際の声としては、「金属関係の製造業の分野では、価格転嫁は相当難しく、現場レベルでは非常に厳しい」という意見がありました。また、中同協から「パートナーシップ構築宣言による効果についてうかがいたい」という意見が出され、それに対して連合は、「国や行政への要請などに本日の生の声を生かしていきたい。実効性については、内容そのものがふわっとしているので、少しずつ効いてくるのではないか。現場レベルまできちんと宣言の内容をおろしていくべきという声もある。」などと意見交換が行われました。
 
 人を生かす経営についての意見交換では、連合から、「経営理念が労使見解の魂が落とし込まれているが、人を生かす部分での労働者が自発的に声を出していける視点があれば良いと感じた。チェックリストはあったが、PDCAサイクルを回すことが重要であると感じている。」などの意見と、ビジネスと人権に関する事について意見を述べ、中同協からは、ビジネスと人権の考え方について、「様々な場面で対応が必要になるが、中小企業はまだまだの所が多い。」ということや、「人を生かす経営の中で、ディーセントワークについては、我々こそが先頭に立っていかなければならないことを全体で共有していきたい。さらに労働環境がどうかというところで共有していく事も必要である。」などの意見が出されました。
 
 最後に、連合から「笑顔と元気のプラットフォーム」の取り組みについて、それぞれの地域で同友会と連携して開催している、「地域活性化フォーラムの取り組み状況」と「地域の同友会との連携状況」について紹介し、中小企業や地域が活性化するためにも、共に連携を進めて行きたいと述べました。
 
 まとめとして中山幹事長は、「輸入価格の高騰が懸念されている。原材料の価格転嫁、労務費の価格転嫁が厳しい状況にある。労務費の価格転嫁は、個別企業の課題として表に出てこなかった。
 条例制定にも取り組んでいるが、地域の疲弊も一気に進んでいる。地域は社員も含めて地域の人が暮らす場でもあり、地域の課題は、それぞれの課題として取り組む場である。SDGsを学んだ上で、それらの課題にビジネスチャンスがあると感じた。」と述べました。
 
 清水事務局長からは、「本日は、多くの項目に目を向けることができた。パートナーシップ構築宣言の効果についても共有ができた。原材料・労務費の価格転嫁については、政府にも連合として言っていきたい。
 連合には47都道府県のもとに地域協議会もあり、地域活性化フォーラム等にも取り組んでいるので、中同協とは引き続き連携をお願いしたい。」と述べました。
 
 中小企業が元気になることは、持続可能な地域、社会づくりにつながる。「笑顔と元気のプラットフォーム」を活用し、今後も中同協と連合がより一層の信頼関係を積み重ね、地域での連携も進めていくことを確認し、閉会しました。
 
  • 中同協・広浜会長
  • 中同協と連合の意見交換・全体風景