連合ニュース 2022年

 
2022年03月25日
参議院厚生労働委員会にて、雇用保険法等改正法案の参考人質疑が行われる
―連合より、村上陽子副事務局長が意見陳述―
参考人として意見陳述する村上副事務局長
 3月25日、参議院厚生労働委員会にて雇用保険法等改正法案に関する参考人質疑が行われ、連合から村上陽子副事務局長が参考人として意見陳述を行いました。
 
 村上副事務局長は、重要なセーフティネットである雇用保険を今後も堅持すべきだと、働く人の立場から現場の声なども踏まえて、主に以下の点について意見を述べました。
 
 
雇用保険法について
(1)失業等給付について
・雇用保険部会報告には、「失業等給付に係る国庫負担については、本来、国の財政の状況等に左右されることなく、現行制度の原則的な負担割合である1/4に戻すべきである」との労使の意見が明記された。労使の雇用保険料率引き上げる前に、まずは失業等給付の国庫負担を原則に戻すべき。
(2)雇用保険二事業について
・失業等給付の積立金からの借入額には、労働者が負担する保険料が積み上がった分も含まれるため、資金がしっかりと保全されることが大前提だ。単純に返済必要額を控除するのではなく、一般会計から雇用安定資金への直接的な繰り入れを行ったうえで、それを返済に充てる形とすべき。
(3)育児休業等給付の在り方とその財源について
 ・子育て支援における国の責任を踏まえれば、フリーランスを含め、育児休業期間中の経済的支援は一般会計で実施されるべき
 
職業安定法について
(1)募集情報等提供事業者のリコメンド機能について
・職業紹介事業と募集情報等提供事業との区分の判断基準は指針で明らかにするとのことだが、判断基準を明確にするためには、AI利用も含めたリコメンドの実態を明らかにする必要があるのではないか。
(2)フリーランスに係る募集情報について
・政府によるワンストップ相談のみならず、的確で最新の情報が掲載されるための事業者への周知に加えて、フリーランスに係る募集情報の実態調査、実態を踏まえたフリーランス保護のあり方について検討が必要だ。
 
職業能力開発促進法について
・今改正で法定化された新たな協議会には、労使などに加えて、新たに教育訓練機関や民間職業仲介機関等も参画する。地域や企業の求める人材・訓練ニーズが、これまで以上に職業訓練に反映されることを期待したい。
・求職者が職業訓練受講後に希望する仕事に就けるようキャリアコンサルティングの充実や就労支援の強化を図ることも重要だ。
・さらに、障がい者、母子家庭、生活保護受給者など多様な背景や事情を抱える求職者なども含めて、キャリアコンサルティングをより充実させることも必要だ。
 
 
 その後は、国庫負担と国の責任、今回の雇用保険制度見直しのプロセス、現状の都道府県の職業訓練協議会の課題など多岐にわたる質疑応答がなされました。
以 上