連合ニュース 2022年

 
2022年01月28日
ベルコ事件札幌高裁和解 記者会見と報告集会を開催
~一審敗訴からの高裁和解の成立は大きな成果~
記者会見での芳野会長挨拶
 連合は、1月26日、連合北海道と情報労連とともに、「ベルコ事件 札幌高裁和解 記者会見」を札幌市内の京王プラザホテル札幌で開催しました(WEB併用)。
▶報告集会の動画  ▶事務局長談話
  
 記者会見の冒頭には、主催者を代表して芳野友子会長が挨拶をし、「2018年9月の札幌地裁での原告側敗訴から一転し、今回、北海道労働委員会命令を前提としたベルコの責任を認めたうえで、和解が成立したことは大きな成果だ」「ベルコに関する他の訴訟などへの波及も大いに期待できる」との所感を述べました。さらには、近年のプラットフォームビジネスの進展による「雇用によらない働き方」や「曖昧な雇用」で働く就業者が拡大し、労働関係法令では保護されない事例が増加していることについて触れ、ナショナルセンターの責務としてこれに対応していくとの認識を示しました。


 記者会見に続き、同会場で「報告集会」をWEB開催し、構成組織、地方連合会、一般、マスコミなどから総勢250名が参加・視聴しました。

 主催者を代表して山根木晴久副事務局長は、関係各方面に謝辞を述べたうえで、「全面勝利と言って過言のない和解であった」「契約は業務委託であるが、実質的に雇用労働者と同じ扱いを受けている労働者には労働法の保護をしっかりと適用し拡張していくという問題意識を持ちつつ、連合はこのベルコ闘争に取り組んできた」「この和解を契機に社会への積極的な発信を行い、使用者責任逃れは許さないという世論をしっかりと広げていきたい」と訴えました。

 弁護団を代表して、棗一郎弁護士からこの間の裁判経過報告を行い、「組織丸ごと業務委託契約で偽装して使用者責任を逃れ、労働契約法上の責任を逃れるというビジネスモデルは認められないということを問う事件だった」という認識を示しました。

  原告を代表して挨拶した全ベルコ労働組合の髙橋功執行委員長は、「今日の高裁の和解は道労委の命令が重視されたものだった。まだ中労委が残っているが、今後もしっかりと対応していきたい」「二人が職場復帰をして一日も早く会社と協議を重ねて健全な労使関係を築き、会社の発展、そしてお客様の信頼とサービス向上につなげていきたい、全国で働いている仲間の職場環境改善に力を入れていきたい」と新たな決意を誓いました。

 続いて、情報労連の北野眞一書記長が全ベルコ労働組合への支援決意表明を行いました。「ベルコ社は今後の事業のあり方や従業員の雇用の確保、労働条件の維持・向上について労働組合と真摯に向き合い協議すべきであり、いかに働きがい持って働き続けられるために何をなすべきか考えるべきである」「労使が真摯な協議を進めていくための組織基盤の強化に向けて情報労連としても全力で支援をしていきたい」と全力で全ベルコ労働組合を支えていく決意を述べました。

  最後に、連合北海道の杉山元会長が挨拶に立ち、「労働組合の役割は一人でも多くの未組織労働者を集団的労使関係により、まもり支えることを改めて再認識する中で、社会に広がりのある運動を強力に発信し、社会的影響力を発揮していく」と述べ、がんばろう三唱を行い、働く者が安心して働ける社会の実現に向けて取り組むことを確認し合いました。
  • 報告集会の様子
  • 報告集会で挨拶する山根木副事務局長