集会の様子
3月11日、連合は「賃金のデジタル払いに関するオンライン集会」を開催しました。集会は、労働政策審議会において現在検討されている、労働者の賃金支払いに係る資金移動業者の口座の追加(デジタル払い)について、現時点で懸念される問題点および審議会の議論状況を共有する趣旨で開催し、約170名が参加しました。
冒頭、主催者挨拶において、連合の相原事務局長は、「賃金は労働の対価であり、日々の生活の糧だ。賃金の確実な支払いは確保されなければならない」とした上で、「コロナ禍においてデジタル化推進は必要なことだが、賃金については、利便性の向上のみを理由に安全性への配慮が欠けることがあってはならない。労基法24条で定められている賃金の直接払い、通貨払い、全額払いの根本原則の重要性を参加者と共有したい」と述べました。
次に、坂弁護士より、「資金移動業者の口座への賃金支払い」と題して、資金保全や不正利用への補償、個人情報の保護等について、資金決済法や金融行政の現状などを踏まえ、懸念される課題の提起がありました。続いて、嶋﨑弁護士より「労働者保護の観点からの課題」として、労基法における賃金支払いの原則の制度趣旨について説明があった後、デジタル払いによる労働者への影響や制度導入のリスク、本人同意の問題等について説明がありました。
情勢報告では、連合の仁平総合政策推進局長より、「懸念や課題が全く払拭されていない口座への賃金支払いを認める訳にはいかない。すべての働く者のために、労働側として一致団結し、対応していきたい」と述べ、連合として現時点では認められないとの立場を改めて明確にしました。
最後に、労働条件分科会委員である八野委員(UAゼンセン)と森口委員(自動車総連)から懸念と今後の審議会へ臨む決意を表明し、集会を終了しました。