連合ニュース 2020年

 
2020年12月01日
子ども・子育てオンライン座談会~Withコロナでどう変わる?私たちの子育て~をオンライン座談会を開催
 連合は11月28日、Zoomウェビナーを活用して、「子ども・子育てオンライン座談会~Withコロナでどう変わる?私たちの子育て~」を開催しました。構成組織・地方連合会をはじめ、一般の方から約60名が参加しました。
 
 冒頭、石上千博副事務局長が挨拶をし、「育児の悩みや、不安を感じることがあるなか、新型コロナウイルス感染症によって、突然の休校や休園、保育施設の利用が制限され、生活環境が急変したご家庭も少なくない。子育て世帯が抱える悩みや不安を共有し、育児で悩んでいるのは自分ひとりではないと感じていただくとともに、Withコロナにおける育児をどうしていくかについて、ヒントを持ち帰っていただきたい」などと述べました。
 
 前半は、労働経済ジャーナリストの小林美希さんに、「コロナ禍の子育て世帯・保育現場の悩みとは?」と題して講演いただきました。コロナ禍の保護者同士や保護者と保育者の間の相互理解の不足による分断、家庭の母親の負担増加によるストレス増加、企業等の営利団体が運営を行う保育所等における保育事故の増加など家庭や保育施設の現状について具体的な事例や表を用いて解説いただきました。そして、保育の受け皿の整備に保育の質が伴っていない状況について「子どもの健やかな発達を支えるためには、保育士等の処遇や配置基準を改善し、保育の質を確保することが必須」と指摘をされました。
 
 後半は、「どうする?Withコロナの子育て」と題し、トークセッションを行いました。トークセッションには、講演いただいた小林美希さんの他、教育社会学の専門である名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授の内田良さんと、子どもの学習支援や、ひとり親家庭などの貧困世帯への支援活動を行うNPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子さんにご参加いただきました。
 コーディネーターの佐保昌一総合政策推進局長の進行のもと、まず、子どもや子育て世帯が直面した生きづらい社会というテーマで議論を行い、緊急事態宣言などにより外に出れず逃げ場が無くなったことで、児童虐待の一歩手前まで迫っていた家庭も少なくないこと、現在の子育て世帯や学校、保育現場は課題や問題を表に出さず頑張りすぎてきたために、苦しい状況にあることがわかりにくいこと、ひとり親家庭などの貧困家庭では、その日の食事にも困る状況が起きていること、児童手当などの既存のシステムを活用するなど子育て世帯への支援を政府に働きかけても状況が変わらないことなどが語られました。内田さんからは、「当事者がSNSなどを使って発信し、問題を見える化することが解決への第一歩となる。それぞれが抱える負担を減らすために、感染症が落ち着いた後も家庭や教育サービスで『やらなければならない』と思っていることを減らしていくべき」とお話がありました。
 次に、Withコロナ、誰もが子どもを生み育てやすい環境を作るためにはというテーマで議論を行いました。海外と比べて理想が高すぎる日本の良い母親像を壊す必要があること、新型コロナウイルス感染症が出産や子育てにどのような影響があるのかを皆で考えていかなければならなこと、コロナ禍であっても子どもを預けられる環境整備に自治体が積極的に関わるべきであること、公共サービスを充実させるには世論を高める必要があることなどが語られました。渡辺さんは「時代が変わり家庭や子育て環境が変化している。それに合わせて子育ての理想を下げ、社会全体で意識を変えるべき。そして、何より子ども・子育てへの社会保障の充実が欠かせない。このままではさらなる少子化問題の悪化にもつながる事態である。子育て世帯を支援することが最も重要」と述べました。また、小林さんからは「日々の生活の中で、子育て世帯に対して意識を持ち、ちょっとした声がけをすることが、保護者が抱えたストレスを少し軽減することがある。相互理解にもつながる」と、子育て世帯の周りの人の行動変容の大切さを強調されました。
 
 最後に、佐保総合局長が、「児童虐待の防止と対応策の強化を含め、子ども・子育てを社会全体で支える仕組みの実現に向けた取り組みの周知や子育て環境の改善に努めていく」とオンライン座談会を締めくくりました。
以 上
  • 小林美希さん講演の様子
  • トークセッションの様子