連合ニュース 2020年

 
2020年09月14日
2020社会保障制度に関する構成組織・地方連合会政策担当者会議(1日目)をオンライン開催
  
 連合は9月11日、オンラインツールを活用して、「2020社会保障制度に関する政策担当者会議(1日目)」を開催しました。構成組織・地方連合会から約60名が参加しました。
 
 冒頭、石上千博副事務局長が挨拶をし、「コロナ後の社会も見据えつつ、安心と信頼の社会保障制度の実現に向けて、地域住民にとって重要な地域医療と共生社会について、課題認識の共有と取り組みの強化をはかりたい。本日の講演内等をそれぞれの地域や組織で政策実現に向けた取り組み強化につなげることをお願いしたい」などと述べました。
 
 地域医療については、ニッセイ基礎研究所保険研究部の三原岳主任研究員に、「コロナ禍における医療改革~地域医療構想を中心に~」と題して講演いただきました。三原研究員からは、各都道府県の地域医療構想の内容や策定プロセス等の分析の結果、当初の「過剰な病床の適正化」に「切れ目のない提供体制の構築」が構想の目的に加わった経緯、昨年9月に「再編・統合の議論が必要な病院」として424の公立・公的医療機関の具体名の公表に至る経緯などについて、分かりやすく解説いただきました。また、今後を考えるポイントとして、①病床確保や保健所機能の強化など新型コロナウイルス感染症対策、②民間医療機関への対応、③医師偏在是正や医師の働き方改革など三位一体への対応、④地域別診療報酬制度の4点が挙げられました。講演の途中には、住んでいる都道府県や構想区域の病床数を調べるなどの「ワーク」が取り入れられました。参加者はワークを通じて講演内容を身近な問題と感じることができ、理解が深まりました。
 
 続いて、「誰もが安心してくらせる共生社会の実現に向けて―地域に根ざした労働組合の役割とは―」と題し、パネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションには、複雑化・複合化した課題を抱える地域住民に対する包括的支援に先進的に取り組まれている社会福祉法人豊中市社会福祉協議会の勝部麗子福祉推進室長、社会福祉法人ゆうゆうの大原裕介理事長、特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター理事長の池田昌弘理事長にご参加いただきました。
 モデレーターの佐保昌一総合政策推進局長の進行のもと、来年4月に施行される改正社会福祉法に基づく新たな事業(「重層的支援体制整備事業」)の課題や懸念点について、議論を行いました。手上げ方式となる新たな事業について、池田理事長より「モデル事業をもとにしながら、時間をかけながら取り組みを積み重ねていくことが必要。都道府県による支援も不可欠。相談支援だけでなく、出口支援も欠かせない」との指摘や、大原理事長からは、「相談対応の現場は、新型コロナウイルス感染症対応で疲弊している。各自治体の中でどのように支援体制を作っていくか、コンセンサスを得るプロセスも重要」などの指摘がありました。勝部室長からは新たな事業の予算確保の面での懸念が示されたうえで、「地域と専門機関が一体となり、相談体制をしっかり作ることが今回の取り組みの鍵となる。制度になじまない・届かない人に対して、アウトリーチで一人もとりこぼさないためにはどうするかということを地域全体で考えていくことが必要」とお話いただきました。
 また、感染防止策の徹底と相談支援の実施の両立というこれからの相談支援の課題、地域でくらし働く外国人の困窮等についても議論しました。パネリストからは、「不安定労働者の増大など、この20年の雇用の崩壊がコロナによってあぶりだされた。就職氷河期世代への影響も懸念される。今後の雇用をどうするかということを労働組合と一緒に考えていきたい」などと労働組合への期待のコメントをいただきました。
 
 最後に、佐保総合局長より審議会での発言内容の報告ののち、「本日の講演やパネルディスカッションでの内容を通じて、地域での取り組みを進めていただきたい」と政策担当者会議(1日目)を締めくくりました。
 
 政策担当者会議(2日目)は10月21日に開催いたします。
 
以 上
  • 地域医療構想について講演する三原主任研究員
  • 全国をつないで行ったパネルディスカッションの様子