連合ニュース 2019年

 
2019年12月02日
2020年公的年金制度改革に向けたシンポジウムを開催
パネルディスカッションの様子
 連合は11月29日、「2020年公的年金制度改革に向けたシンポジウム」を都内会議室で開催し、構成組織・地方連合会など、約150名が参加しました。
  
 冒頭、逢見会長代行が主催者代表挨拶を行い、「企業の規模や形態、働き方で社会保険の適用の有無が異なることは納得できない。すべての働く者が原則適用されるよう、さらなる適用拡大を早急に行うべき。基礎年金の給付水準が大きく低下することは極めて深刻な問題。基礎年金の底上げを中心として、だれもが安心してくらし続けられる公的年金制度の実現が急務だ」などと述べました。
 
 基調講演では、慶應義塾大学経済学部の駒村康平教授より「2019年年金財政検証とその評価」と題してお話をいただきました。講演では、年金制度改革は過去・現在・将来すべてに目配せした議論が必要、将来世代の年金給付水準の低下が見込まれる中で特に単身世帯や女性などに大きな影響がある、最低保障機能の強化が急務といったご示唆をいただきました。そのうえで、働く者の将来の年金給付の改善につながる社会保険のさらなる適用拡大に向けて、連合が大きな原動力になっていくことを期待すると述べられました。
  
 パネルディスカッションには、駒村教授、(株)日本総合研究所の西沢和彦主席研究員、UAゼンセンの永井幸子常任中央執行委員、全国ユニオンの関口達矢事務局長にご登壇いただきました。
 西沢主席研究員からは、将来世代の給付水準の確保のためにはマクロ経済スライドのフル発動が重要、適用拡大を着実に進めるために社会保険料の源泉徴収と日本年金機構での名寄せという方法が有効といったお話をいただきました。永井常任中執からは、UAゼンセンの組合員緊急アンケートの結果が報告され、短時間組合員の実態を踏まえて適用拡大が重要で特に企業規模要件は撤廃すべき、高齢単身女性の年金には大きな課題があるなどの意見が述べられました。関口事務局長からは、社会保険未加入に関する様々な相談事例が報告され、基礎年金は最低限の生活が営める水準が確保できるよう税負担の在り方を含めて議論が必要、遺族・障害年金を含めて理解できるよう周知すべきといったご指摘をいただきました。
 モデレーターの佐保総合政策推進局長は、「改革の射程や公平性の捉え方などの違いによって様々な考え方があるが、議論の中で共通していたのは社会保険のさらなる適用拡大や基礎年金の給付改善は急務ということ」とまとめました。
 
 最後に、相原事務局長が「連合の強みは様々な現実にさらされている多様な働く仲間の顔が見えているということだ。年金制度改革をはじめとした政策実現のためには、短期的には厳しい場合もあるが長期的には明るいということを社会全体に理解していただくことが重要であり、その合意形成に向けた取り組みを進める必要がある」とシンポジウムを締めくくりました。
以 上
  • 冒頭、あいさつする逢見会長代行
  • 駒村康平(慶應義塾大学経済学部教授)   将来の安心につながる年金改革案を示す
  • 西村和彦(日本総研調査部主任研究員)   社会保険料の源泉徴収と名寄せの重要性を強調
  • 今後の取り組みに向けて意気込みを語る   相原事務局長