連合ニュース 2019年

 
2019年11月22日
神津会長、第3回全世代型社会保障検討会議で意見表明
 「第3回全世代型社会保障検討会議」が11月21日、首相官邸で開催され、連合をはじめ、中小企業団体、働き方改革や兼業・副業にかかわる有識者からのヒアリングが実施されました。
 神津会長は、真の「全世代支援型社会保障」の実現に向けて、すべての労働者を社会保険に原則適用させる方向で見直しを行うべき、医療アクセスの格差を拡大しかねない見直しには反対、高齢者雇用における同一労働同一賃金の法対応を確実に実施すべきなどと訴えました。
 
 会議における神津会長の発言と質疑応答の概要は、以下の通りです。

<会長の発言要旨>
  • すべての労働者を社会保険に原則適用させ、企業規模や非適用業種の要件を撤廃し、労働時間と年収、勤務期間、学生除外の要件も緩和すべき。また、健保と年金は現行どおりセットで適用すべき。
 
  • 医療については、民間医療機関を含めた医療提供体制の効率化と、医療資源の偏在解消や、病院従事者の働き方改革を同時に進めることが最も重要。受診時定額負担の導入や薬剤自己負担の引き上げは医療アクセスの格差拡大を招きかねないため、反対。自己負担割合は、応能負担の考え方を軸に検討すべき。
 
  • 年金については、基礎年金の給付水準の底上げが必要であり、社会保険の適用拡大、マクロ経済スライドの見直し、年金生活者支援給付金の改善などを検討すべき。60歳代後半の在職老齢年金については、就労できない者との公平性、公的年金の再分配、年金財政への影響などを十分に踏まえ慎重に検討すべき。
 
  • 高齢者雇用については、同一労働同一賃金の法対応の確実なる実施や、安全と健康の確保の取り組みを通じて、就業機会確保に向けた土台づくりを行うべきであり、その上で、働く者の法的保護を前提とした、多様なニーズに対応し得る環境整備が必要。
 
  • 本来雇用労働者であるべき者を「非雇用」で就労させることは、「雇用の多様化」ではなく、「雇用の劣化」でしかない。社会保険・労働保険の適用逃れなどのためにこうしたことがあってはならない。「非雇用」で働く者については、労災保険、雇用保険などによる保護は受けられないため、しかるべき保護策を講じるべき。
 
  • 真に「誰もが安心できる社会保障制度」をめざすのであれば、三者構成主義の観点から公益・使用者側の有識者のみならず、労働者側も含め、多角的な視点からの活発な議論が行われることが不可欠。
     
<質疑応答>
   民間議員からは、生産性向上、高齢者雇用、フリーランスの保護、社会保険の適用拡大と企業負担に関して質問がありました。これに対して、神津会長は、以下の通り回答しました。
  • 2013年の政労使会議でも確認した内容を改めてフォローアップすべき。中小企業の真の生産性向上を図り、労使で物事を決めていくことが重要。そのためには、賃上げと生産性向上は両輪であると考えている。
     
  • 70歳までの就業機会の確保に向けては、働く側の様々な状況を踏まえることが必要。働き続けることができる環境の整備と労働者の納得感が重要。フリーランスについては、実際に労使紛争となっているケースもある。実態として人に雇われ、指示に基づいて働いている場合は「労働者性」の認定がなされるよう、この問題に正面から取り組んでいただきたい。

    基礎年金の給付改善は議員指摘の通り大きな意義がある。社会保険の適用拡大で、一時的には保険料負担が増えると見えるが、労働者の将来の安心につながっていくことを強調すべき。人手不足の中、労働者が安心できないような企業には人が集まらないため、中小企業の人材確保の一助にもなる。課題が多いということであきらめるのではなく、社会全体で支えるという観点から、どうすれば一層の適用拡大を実現できるかを検討すべき。
  
以 上