連合ニュース 2019年

 
2019年11月21日
「全会一致の附帯決議を活かした実効性あるハラスメント対策の確立を!連合国会内アクション」を実施!!
主催者挨拶する神津会長
 労働政策審議会雇用環境・均等分科会において、2019年5月29日に成立したハラスメント対策関連法にもとづく省令・指針の審議が進められている中、その状況を広く社会に周知するとともに、与野党全会一致で確認された衆参厚生労働委員会の附帯決議の内容を確実に反映することで法の実効性を高めることを目的に開催した。
 当日は、構成組織・地方連合会、連合フォーラム議員、有識者、関係団体、マスコミなど140名が参加した。
 
<日 時> 2019年11月18日(月)17:30~18:30
<会 場> 衆議院第2議員会館1階「多目的会議室」

Ⅰ.主催者挨拶
  神津里季生会長より以下の挨拶を行った。
○指針の素案は、パワーハラスメントの定義や例示が非常に狭く、マスコミ報道やネット等で「使用者の弁解カタログ」と批判される始末である。
○附帯決議で指針に「明記する」とされていた事項ですら十分に反映されておらず、立法府の意思がないがしろにされている状態だと言っても過言ではない。
○もちろん、雇用管理上の措置を講じる主体は事業主ではあるが、指針は事業主ができることを書くものではなく、何より被害者あるいは被害者になる可能性のある人たちの立場に立って、予防を含めて幅広く事業主が講ずべき措置を明確にするものが、本来の姿ではないか。
○労働政策審議会を構成する労働者側の代表として、大変多くの方々がハラスメントを受けて苦しんでおられることを真摯に重く受け止め、その思いを胸に、使用者側委員、公益側委員に我々の真意をしっかりと訴えていきたい。 

Ⅱ.労働政策審議会雇用環境・均等分科会における審議状況
 井上久美枝総合政策推進局総合局長より2019年10月21日の第20回分科会で示された指針の素案の問題点や今後の審議に臨む姿勢等について報告を行った。
 
Ⅲ.連携団体リレートーク
 棗一郎 弁護士 日本労働弁護団闘争本部長は、「このような指針では、使用者の『言い訳マニュアル』である。『抵抗又は拒絶することができない蓋然性』とは何なのか。『職場』の範囲も狭い。該当する・しない例も極めて不適切」と提起した。
 村尾祐美子 真のポジティブアクション法の実現を目指すネットワーク呼びかけ人は、「附帯決議や国会審議が反映されていない。特に『労働者の主観』は、すでに均等法の通達に『労働者の主観を重視』とあり、積み重ねがある」と述べた。
 神谷悠一 LGBT法連合会事務局長は、「附帯決議で性的指向・性自認に関するハラスメントを『明記する』とあるのに、指針の素案では例の例にとどまる。アウティングで深刻な事件が起きていることを知っていただきたい」と投げかけた。
 土井香苗 ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表は、「属性に関するハラスメントについて、ILO条約第6条では差別を受けやすい『脆弱なグループ』のために法令等を採択すべきとある。日本は国際的に遅れている」と警鐘を鳴らした。
 石川優実 #KuToo発信者は、ビデオメッセージで「パンプスで足を痛めて仕事を諦めた人たちがたくさんいる。すべての働く人が同じ条件で仕事にチャレンジできる環境をつくるために、指針に服装規定を盛り込んでほしい」と訴えた。
 
Ⅳ.連合フォーラム議員からの発言
 西村智奈美 立憲民主党衆議院議員は、「働きやすさが増すものと期待していたが、指針の素案を見てがっかりした。フリーランスに対するハラスメントの解決の道筋も示されていない。重視すべきは裁判例ではなく、附帯決議である」と述べた。
 石橋通宏 立憲民主党参議院議員は、「昨年、野党として第三者をカバーした対案を提出したが、与党は否決した。だとすれば、それ以下の中身にしてはいけないと取り組んできた。魂を込めてつくった附帯決議を指針に盛り込むべき」と訴えた。
 礒﨑哲史 国民民主党参議院議員は、「実際に現場でハラスメントの問題に接してきたからこその思いで取り組んできた。しかし、素案には弱い立場の人たちに関する内容が盛り込まれていない。職場の定義も狭く問題である」と課題提起した。
 
Ⅴ.会場からの発言、意見交換
 参加者から、素案はフリーランスに対するハラスメントの防止対策が不十分であること、就活ハラスメントの深刻な実態と学生たちを中心とした要請活動等の動きがあること、本来事業主が講ずべき雇用管理上の措置のあり方等に関して発言があった。
 
Ⅵ.まとめ
 相原康伸事務局長より以下のまとめを行った。
○ITUCと連携したILO総会への対応、また、連合フォーラム議員の皆様と連携した国会対応、そして、請願を含む街宣行動などに全力で取り組んできた。
○今回の省令・指針の策定は、さらなる法整備、ILO条約の批准という次につながる重要なポイントであることを、本日、再確認できたことと思う。
○“今だけ自分だけ”という風潮に流されず、人を思い、人のために何ができるかという人間の感情が形に表れ、それが認められる社会が理想。しかし、法律に落とすとなると、本日のようにアクションを起こさなければならないのも現実。
○性別や年齢、国籍、障がいの有無、また、性的指向・性自認によらず、人が人として尊重し合える社会づくりに取り組む。将来に希望を持って飛び立とうとしている人たちの一歩目からつぶすような社会は不健全。そういうことにも思いを抱いて全力で取り組みを進めていきたい。 
以 上
  • 報告する井上総合局長
  • 棗一郎 日本労働弁護団闘争本部長
  • 村尾祐美子 ポジネット呼びかけ人
  • 神谷悠一 LGBT法連合会事務局長
  • 土井香苗 ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表
  • 西村智奈美 立憲民主党衆議院議員
  • 石橋通宏 立憲民主党参議院議員
  • 礒﨑哲史 国民民主党参議院議員
  • まとめを行う相原事務局長
  • 会場風景