連合ニュース 2019年

 
2019年09月04日
G20労働組合会議(L20)、G20労働雇用大臣会合へ参加
L20で発言する神津会長
1.L20の開催
8月29・30日、連合は、国際労働組合総連合(ITUC)が主催するL20(労働組合会議)をホストしました。L20は、ITUCを始めとする国際労働組合組織やG20各国・組織のナショナルセンターのリーダーが一堂に会し、現下の国際場裡における労働にまつわる課題について議論する中で、各組織の知見や経験を共有しながらその解決策を見いだし、以降の運動に反映していくとともに、G20労働雇用大臣会合に向けた政策文書(L20声明)のとりまとめを目的とした会議です。
 
G20議長国である日本において、今回初めて開催されたL20には、G20各国や国際労働組合組織、ILOを始めとする国際機関、国際使用者団体などから、参加者・オブザーバーの数は100名を超えました。
 
2019年はILO設立100周年という節目の年でもあり、L20の議題も「新しい社会契約の実現」というこれを踏まえたものでした。経済発展の果実や労働者の基本的権利、賃金、職場における安全衛生を政労使による対話を通して実現していくという考え方のもと、G20が始まってからの約10年の振り返り、気候変動や不平等是正に向けた取り組み、新しい社会契約に向けた労働組合の役割等について活発な議論が行われました。
 
L20開会にあたって、神津会長から、「ILO設立100周年、連合結成30年という節目の年に日本で最初のL20を開催できて光栄である。デジタル技術の発展によりこれまでにない働き方が生まれ、労働者に大きな影響を及ぼしている。ここ数年顕著となってきている保護貿易主義の台頭や貿易摩擦により、国際経済の不透明感が増している。ディーセント・ワークの実現に向け、G20という枠組みへ労働者の声を届け、政府を動かす必要がある。L20参加者が経験・知見を共有し、有意義なアウトプットが今後の労働運動に資することを期待する」旨挨拶を行いました。
 
根本厚生労働大臣から、「仕事の世界は大きな転換期を迎えており、これは課題であると同時に好機でもある。包摂的で持続可能な仕事の未来を形成するためには政労使の対話と行動が不可欠。L20によるG20への長年の貢献に感謝し、引き続き、労働雇用大臣会合へL20からの積極的な発言を期待する。」旨の挨拶がありました。
 
国際機関における政策の一貫性が求められる中、ガイ・ライダーILO事務局長やOECD、アジア開発銀行研究所、国際経営者団体連盟、欧州労連、エンゲージメント・グループとしてC20それぞれから示唆に富んだ発言がありました。
 
最後に、シャラン・バロウ書記長と神津会長から閉会にあたっての挨拶が行われ、L20は閉会しました。
 
2.G20労働雇用大臣会合への参加
9月1・2日に愛媛県松山市で開催されたG20労働雇用大臣会合に、神津会長、逢見会長代行、シャラン・バロウ書記長、ピエール・ハバード事務局長が参加し、社会対話のセッションにおいて発言しました。
 
神津会長からは「L20声明ではILO100周年宣言で取り上げられた新たな課題や国際機関にまつわる課題について労働雇用大臣に対してその解決を求め、人口動態変化に際して生じる新しい働き方においてもディーセントな労働条件確保が必要であり、そうした対処においても労働者保護の観点が必要。今後重要性が高まるケア労働者の労働処遇条件向上が喫緊の課題。また、G20大阪首脳宣言やG20労働雇用大臣会合で取り上げられなかった重要な課題について、来年以降の議論に反映していくとともに、引き続き三者構成による社会対話を継続してもらいたい」旨発言しました。シャラン・バロウ書記長から「労働者の60%がインフォーマルな働き方に陥っており、こうした状況を大臣は改善することができるはずである。世界の60%の人々は生活苦にあり、満足な賃金を得られていない。こうした状況は、団体交渉によって改善することができる。また、ケア経済に投資を行い、団体交渉権といった基本的な権利を保障しなければ、ケア労働者の処遇改善にはつなげられない。労働者にとって年金制度の保障は必須である。各国大臣にはもっと野心的になっていただきたい」旨発言がありました。続いてピエール・ハバードTUAC事務局長から「先日開催したL20に根本大臣に参加いただき感謝する。トルコでの例のように大臣宣言はある1つの到達点。年金制度を改革し、受給者すべてが確実に受け取れるようにしなければならない。」旨発言しました。
 
社会対話のセッションの後、L20より根本厚生労働大臣に対し、G20労働雇用大臣に対する政策文書である労働組合声明を手交しました。手交に際し、シャラン・バロウ書記長から「大臣におかれてはL20に参加いただき感謝する。労働市場は今や危機に瀕している。この危機はグローバルな経済や社会の危機によってもたらされている。労働雇用大臣会合が果たせる役割は大きく、働く人々の権利や賃金を守り、正義が実現するよう我々がまとめたL20声明をお渡しする」旨発言がありました。
 
また、本大臣会合におけるテーマの1つである新しい雇用の形に関するセッションにおいて、逢見会長代行から「デジタル経済の発展によりフリーランスや偽装請負が増加している。労働者保護と団体交渉権を保障し、必要な法改正や法令遵守体制強化を行わなければならない。」旨発言しました。
 
  • L20全体集合写真
  • G20労働雇用大臣会合に参加した連合と国際労働組合組織のリーダーと根本厚労大臣
  • G20労働雇用大臣会合で発言する逢見会長代行