連合ニュース 2019年

 
2019年07月25日
ILO「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約・勧告」採択についての報告会開催
逢見会長代行の挨拶
 連合は、2019年7月24日に第108回ILO創立100周年記念総会「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約・勧告」採択についての報告会を開催しました。報告会には、選挙終了間もない時期にもかかわらず、構成組織、地方連合会、連合フォーラム議員、報道関係者など、約80名が参加しました。
 
 冒頭、主催者を代表して、逢見会長代行より、「各国の首脳級が参加したILO創立100周年を記念する総会において、ハラスメントに特化した初めての国際条約が採択されたことは歴史的な成果である」と評価した上で、「連合は、ハラスメントの根絶に向けて、引き続き実効性ある対策を求めていくとともに、条約批准をめざして、世論喚起を行いながら、さらなる法整備を日本政府に働きかけていく」との挨拶がありました。
 
 次に、井上総合男女・雇用平等局長より、条約のポイントと日本の法律を比較しながら説明があり、「今後は、あらゆるハラスメントの根絶に向けて、①パワーハラスメントの対象範囲を広げていくこと、②被害者・加害者に第三者を含めていくこと、③禁止規定の導入に向けて早期に議論を開始することについて、労働政策審議会などを通じて求めていく」との決意が述べられました。
 
 続いて、ILO総会において、条約策定の議論に参加した立場から、電機連合の山中中央執行委員、UAゼンセンの松井政策・労働条件局長が報告を行いました。
 山中電機連合中央執行委員は、満場の拍手で条約が採択されたことを報告し、「この間、政策と運動の両面で取り組んできた。今後も批准に向けて、ハラスメントの被害者をなくす観点で取り組んでいきたい」との意気込みを語りました。
 松井UAゼンセン政策・労働条件局長は、暴力とハラスメントのない社会に向けて、歴史的瞬間に立ち会えた感動を述べるとともに、ILO条約が国内法を後押ししてきた歴史を踏まえ、「批准に向けて、運動を盛り上げていきたい」との思いを語りました。
 
 また、研究者の立場から、労働政策研究・研修機構の内藤副主任研究員より、日本のハラスメント対策の現状と課題について説明があり、「条約が求めている禁止規定には、①法的効果をもたらさない理念的規定、②損害賠償請求の根拠となり得る司法的効果をもつ規定、③罰則(刑罰、罰金含む)付きの規定などの段階があり、まずは、連合が主張しているように②を求めていくのが妥当である」とのコメントがありました。
 
 質疑応答では、性的指向・性自認に関する差別への対応もこの条約に入っていることを連合として強調してもらいたい、フリーランスに対するハラスメントも労働政策審議会で議論してほしいとの要望や条約が求める制裁の内容について質問がありました。
 
 最後に、まとめとして、逢見会長代行が「今後も、引き続き連合の役割を果たしつつ、世論を盛り上げる運動を展開していく。マスコミの皆様にも発信をお願いし、ハラスメントの根絶に向けて、ともに取り組んでいくことを確認したい」と報告会を締めくくりました。
 
  • 熱心に聞く参加者
  • 内藤JILPT副主任研究員