連合ニュース 2019年

 
2019年03月15日
全国中央会と連合との懇談会を開催
~ 取引の適正化や雇用類似の課題等に関わる連携強化を確認 ~
長時間労働是正に向けた共同宣言
 連合は、2019年3月14日、全国中小企業団体中央会(以降、全国中央会)との懇談会を開催し、「下請取引等取引環境の整備」をテーマに意見交換を行いました。
 
 冒頭、連合の神津会長は「全国中央会の皆様には、2018年11月に連合との間で、各関係団体の中では最も早く『長時間労働是正に向けた共同宣言』を締結いただきました。これは、労働基準法改正に関連して、『36協定』の重要性を社会に浸透させるために連合が進めてきた『Action!36』の取り組みの大きな後押しとなっており、感謝申し上げます。また、昨年の秋以降は、全国中央会として取り組まれている『平成30年度 多角的組織連携強化事業委員会』において連携を行っているほか、中央組織だけではなく、地方での協力関係も着実に広がっていると認識しています。
昨日は春季生活闘争における最初のヤマ場でしたが、過去においては、この集中回答日の回答水準が、いわば『天井』と受け止められていたように思います。しかし、デフレ脱却や格差是正が極めて重要な課題となっている中、私たちとしては、これをむしろ『土台』として、今後のさらなる回答の引き出しに結び付けたいと考えています。報道では、従来のようにヤマ場の回答をもって今次春闘を性格づけるようなところも見受けられますが、各組織の回答状況を丁寧に見ていけば、満額回答や昨年を上回る水準を引き出しているところもあります。私たちが一貫してお伝えしてきているのは、格差是正の重要性と、そのための商慣行の是正です。ここ数年、特に主張していますが、取引上の立場が強い方が、それを背景に無理を強いるような状況があってはならないと考えています。
第4次産業革命の到来により、中小企業の商取引や雇用形態にも、今後、様々な変化・影響が生じることが想定されます。全国中央会の皆様との間でこれまでに積み上げてきた協力関係を、関連する政策テーマへとさらに展開し、ともに課題解決を図りたいと考えています。働き方改革関連法は、この4月よりいよいよ施行となります。大企業が1年先行とはなりますが、私たちとしては、中小企業においても同じ気持ちでスタートすることが大切であると考えています。間違っても、大企業での取り組みによって、中小企業にそのしわ寄せがいくようなことはあってはなりません。昨年11月に締結した『共同宣言』に基づき、引き続き、地方も含めてフォローアップしていきたいと思います。」とあいさつしました。
 
 全国中央会の大村会長は、「連合の皆様方と、今年もまた、このような形でトップ同士の懇談の場が持てましたことを大変嬉しく思います。全国中央会と都道府県中央会では、平成31年度の共通した基本活動方針として、7項目の重点方針を取り決めました。とりわけ、人材の確保、働き方改革、そして生産性向上の実現とそのための下請取引の適正化を掲げています。本日は、下請企業等の取引環境の改善を中心としながらも、経済のデジタル化の進展に伴い、雇われない働き方の増加とそれを巡って新たな取引問題が生じていますので、幅広い観点から意見交換をお願いしたいと思います。中小企業と大手企業の格差拡大が言われていますが、従業員の賃金を引き上げていくためには、取引環境の改善が何より重要であると認識しています。本日の懇談を、中小企業とそこで働く従業員のための一助にしたいと考えています。」とあいさつしました。

 引き続いて行われた意見交換の中で、全国中央会からは「平成31年度基本活動方針」の説明がなされるとともに、「今年のゴールデンウイークは最長10連休となるが、取引先から無理な納品期日を迫られることや、従業員の働き方の観点で懸念がある」、「地方の中小企業は、運送費や燃料費などの負担増加に苦しんでいるが、価格に十分転嫁できていない」、「人手不足のため外国人労働者の採用を行っているが、日本人と同一賃金とするのは実態として非常に難しい」、「経営者の事業承継が進んでおらず、新技術への理解・対応が不十分な状況」、「公正取引委員会による不当廉売の防止に関わるガイドラインは、当初の作成後、今年で10年が経過しており、連合ともタッグを組み、時代に沿った見直しに取り組みたい」などの意見が挙げられました。
 
 連合からは、2019春季生活闘争における中小共闘方針の説明や、中小企業における回答状況の報告に加えて、構成組織の取り組みとして、「運輸業界は従業員の厳しい働き方でようやく成り立っており、雇用構造の安定化に向けて商慣行是正が必要」、「情報産業において、多重下請構造を背景とした労働安全の問題が絶えない」、「クラウドワーカーの増加につれて、業務報酬や評価に関する不公平な商取引が明らかになっている」、「『雇用類似』の課題は様々な業界に存在しており、仕事に見合った適正な労働条件・取引条件の形成等、健全性を高める取り組みが必要」などの意見が挙げられ、全体を通じて、取引慣行の適正化こそが賃金や働き方の改善に向けて極めて重要であるとの認識を共有しました。
 
 最後のまとめにおいて、大村会長は「意見交換を通じて、『大企業との賃金格差是正は、取引環境の改善なくして実現なし』と改めて実感した次第です。ネット上の取引では、優越的地位の濫用ではないかと思われるようなことが、相当行われているのではないかと危惧しています。取引環境の改善に向けて、今後とも連合からのご支援をいただきますようお願い申し上げます。本日の懇談につきましては、地方ブロックの会長会議などの場で報告し、それぞれの地域において同様に意見交換できるよう働きかけて参ります。」と述べました。
 
 これを受けて神津会長は「新たな気づきも含め、有意義な意見交換ができました。『雇用類似』など、新しい働き方の諸課題については、さらに議論を深めていく必要があります。中小企業においても徐々に賃上げの動きが広がっていることを改めて確認できましたが、原資の確保ができなければ長続きしないことを踏まえると、取引慣行の是正が大変重要です。本日は様々なテーマが提起されましたので、引き続き、実務レベルを含めて連携を深めさせていただきたいと思います。」と締めくくりました。
  • 懇談会全景
  • 連合 神津会長
  • 全国中央会 大村会長