連合ニュース 2018年

 
2018年10月02日
全ベルコ労働組合裁判において地裁判決が下される
労働の実態を顧みない不当判決!
判決直後の旗出し
 9月28日、札幌地裁において、連合が闘争支援する「全ベルコ労働組合裁判」の判決が言い渡され、「ベルコとの間に労働契約は成立していない」として、原告らの請求はすべて棄却されました。
 判決後すぐに原告弁護団らは、裁判所の外で待つ全ベルコ労組の仲間や連合の組合員、マスコミに向けて「不当判決」の旗を掲げ、判決結果と憤りの声を伝えました。
 
 判決後、札幌弁護士会館に場所を移し、連合主催の記者会見を開催しました。
 はじめに、弁護団の棗一郎弁護士が弁護団声明を発表し、判決内容について解説を行いました。その中で、「会話の録音等のリアルな証拠を数多く提出し、指揮命令や労働の実態を訴えたにもかかわらず、こうした事実をほとんど一顧だにせず、契約の形式だけで判断した」と判決を強く抗議しました。
 さらに淺野高宏弁護士より、判決の問題点について具体的な補足説明がされました。とりわけ、今回新しい論点として設定した「商業使用人構成」(会社法14条1項)の判断について、裁判所の考える商業使用人とは、都度指示を与えられて働く従属型の労働者像が念頭にあり、会社法が想定する労働者像とは乖離していることに言及し、「本判決には問題点が多数ある。1つ1つ丁寧に指摘し、この不当判決を覆したい」と控訴審への意気込みが示されました。
 
 つづいて、連合本部・山根木晴久総合組織局長より、個別の闘争を連合本部が直接主導するのは今回が初めてと紹介した上で、本判決に対して「労基法が保護する労働者とは一体どこに存在するのかという危機感を抱く。この流れに歯止めをかけるためにも、引き続きこの闘いに積極的に関わっていきたい」と発言しました。
 
 原告2名からは、判決を受けての率直な感想や心境が語られました。全ベルコ労組・高橋功委員長は「膨大な証拠を出して訴えたにもかかわらず、労働の実態が認められなかったのは大変残念でならない。しかし、ここで終わったわけではない。現在もベルコの過酷な職場で働いている人が大勢いる。仲間のためにも頑張りたい」、豊田義久書記長からは「敗訴は想定していなかった。しかし、このような働かせ方を許せば未来はない。この闘いに勝利するよう頑張りたい」と決意表明されました。
 
 記者との質疑応答の後、連合北海道・出村良平会長が閉会あいさつに立ち、「仲間のためにこれまで3年超頑張ってきた2人の気持ちに、裁判所が全く応えていないのが非常に悔しい」と述べた上で、「このような働かせ方は許さない。引き続き支援していく」との力強い言葉で会見を締めくくりました。
 
 本判決に対して、原告・弁護団は控訴する方針です。また、裁判と並行して北海道労働委員会でも審理が進んでおり、来年1月以降、命令が出される見込みです。
 連合は、この問題を社会に提起していくとともに、「絶対に負けられない闘い」との思いを新たに、引き続き全力で支援していく決意です。
 
◆ベルコ裁判とは◆
 冠婚葬祭大手ベルコの代理店で労組を立ち上げようとした原告2名が実質解雇され、地位確認等を求めてベルコ本社を相手に2015年7月に提訴したもの。
 ベルコは業務委託契約を濫用し、雇用責任を代理店に押し付け、本社はあらゆる労働関係法規を逃れるしくみをとっている。一方、労働や指揮命令の実態は通常の会社組織と何ら変わらず、いわば「会社組織の丸ごと偽装」ともいえる脱法的な働かせ方を行っている。
 契約形式と労働実態が乖離する中で、「使用者は誰なのか」(形式上は代理店長(支部長)、実態はベルコ本社)が本裁判の争点であった。

  • 裁判所前で、判決を待つ仲間、支援者たち
  • 小雨が降る中、大勢が駆けつけてくれた
  • 裁判所前で、判決結果を報告する弁護団
  • 記者会見の様子