連合ニュース 2017年

 
2017年09月08日
労働基準法改正法案の法案要綱が示される
集会全景
9月8日、第140回労働政策審議会労働条件分科会が開催されました。
 
 前回の分科会の最後で、分科会長から、事務局に対し、この間の議論経過と労働者側委員から出された懸念点を踏まえ、次回分科会にて法案要綱を諮問するように指示がありました。これを受け、継続審議中の労働基準法改正法案(2015年法案)と、6月に本分科会で建議を取りまとめた時間外労働の上限規制の法案を含む、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」が諮問されました。
 
 冒頭、労働者側委員は、これまで反対してきた高度プロフェッショナル制度の創設、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大が含まれた形での法案要綱が示されたことは、非常に残念であることを発言しました。そして、2015年法案に至る労働条件分科会においても、8月30日・9月4日の分科会においても、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大と高度プロフェッショナル制度の創設には反対である旨を述べてきており、2015年法案からこの2点は落とすべきであるとの考え方は変わらないが、本日、上限規制の建議を踏まえた内容と労働側が示してきた問題点や懸念について、「働く人の健康確保が重要」との共通の認識から一部修正された2015年法案を組み合わせた法案要綱が示されたことを受け、労働政策の三者構成での決定過程に参加する労働者側委員の責任として、今回示された法案要綱について、確認的な質問および意見を順次発言すると述べ、各委員が発言を行いました。
 使用者側委員から、時間外労働の上限規制は、3月13日の労使合意・3月28日の働き方改革実行計画を踏まえたものであり、過重労働防止や命と健康を守る観点から重要であること、また、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大と高度プロフェッショナル制度の創設は、労働者の健康を確保しつつ、柔軟な働き方を選択できるものであり、生産性向上の一助となる制度であるとの旨の発言がありました。
 
 分科会の最後に、分科会長により、次回取りまとめに向けて、引き続き議論したいとの発言がありました。
 
 分科会終了後に報告集会を開催し、主催者代表挨拶ならびに情勢報告として連合本部・南部副事務局長より、「長時間労働を助長するような高度プロフェッショナル制度や企画業務型裁量労働制の対象業務拡大と、長時間労働を抑制するための時間外労働の上限規制は全く趣旨が違い、むしろ真逆の議論である。前回、9月4日の分科会では、労働者側委員から、企画業務型裁量労働制の対象業務拡大と高度プロフェッショナル制度の創設に対する具体的な反対意見と懸念点を述べてきた。とりわけ企画業務型裁量労働制の対象業務拡大に対しては、制度の本旨に沿った運用がなされていないことや労使委員会に対する懸念点など、まずは現状を正していくことこそ必要であることを発言してきた。本日示された法案要綱がどのような内容だったのか、委員からの報告に注目したい」と述べました。
 その後、分科会に出席した各委員より、「本日、我々がこの間ずっと反対してきた高度プロフェッショナル制度の創設と企画業務型裁量労働制の対象業務拡大が含まれて一本化された法案要綱が示されたことは大変残念である。また、『働き方改革』は待ったなしの状況であるにも関わらず、法施行日が2年後の2019年4月1日からであり、中小企業における時間外労働の月60時間超時の割増賃金率の適用猶予廃止は、さらに法施行後3年後であることからすれば、中小企業で働く仲間の命と健康が引き続き脅かされる状況であることに変わりないのではないか」、「この間、企画業務型裁量労働制の対象業務拡大は、時間外労働を助長する懸念があり、『働き方改革』の趣旨に反することを繰り返し主張してきた。しかしながら、本日も明確な回答はなかった。このまま法案要綱がとりまとめられることに対して、非常に危機感を持っている。残された時間はわずかだが、しっかり主張していく」などと述べました。

※本日の集会の様子は連合HPに動画でUPしていますのでご覧ください。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/rengotv/koudou/
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