2018年06月11日
ILO総会「基準適用委員会」の個別審査結果および「結社の自由委員会」勧告に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸
- 労働基本権問題で日本政府に対応を要請
6月8日、国際労働機関(ILO)は、スイス・ジュネーヴで開かれていた第107回総会において、基準適用委員会の個別審査報告を採択した。報告は、公務員労働基本権の制約問題について、日本政府に対し、自律的労使関係制度の措置や消防職員・刑事施設職員の団結権などについて社会的パートナーとの協議を行い、勧告実施のための行動計画の策定・報告を行うことを要請している。こうした内容は、これまでの連合の主張が引き続き受け入れられているものであり評価する。
- 結社の自由委員会から11度目の勧告、その重大さを受け止めるべき
6月9日には、結社の自由委員会報告がILO理事会で承認された。本報告では、2002年に連合などが提訴した日本の公務員労働基本権に関する案件の進捗を踏まえ、日本政府に対する11度目となる勧告が行われた。
勧告は、公務員への労働基本権付与、消防職員や刑事施設職員への団結権および団体交渉権の付与、国家の運営に関与しない公務員への団体交渉権・協約締結権・ストライキ権の保障などについて、関係する社会的パートナーとの意味ある協議を遅滞なく行うことを要請するとともに、必要な立法上の措置に期待を示している。勧告により、日本の状況が先進国でありながら国際的に異例なものであることが改めて浮き彫りとなった。政府は、度重なる勧告の重大さを受け止めるべきである。
- 国会と政府は報告・勧告を真摯に受け止め、すみやかな対応を
今回のILOによる報告・勧告は、本問題に対する国際社会の強い懸念を改めて示したものといえる。政府には、これらの報告・勧告を真摯に受け止め、すみやかに対応するよう求める。また、今通常国会には、労働基本権付与と自律的労使関係制度の措置を含む「国家公務員制度改革関連3法案」が、衆議院に共同提出(提出記載順:国民民主党、立憲民主党、無所属の会、社会民主党)されており、本問題を解決するためにも、早期の審議・成立を求める。
連合は、より質の高い公共サービスの提供に資する、民主的で透明な公務員制度改革の実現をめざし、引き続き、関係する組織と連携しつつ取り組みを推進していく。
以 上