事務局長談話

 
2017年12月14日
与党「平成30年度税制改正大綱」に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸


  1. 12月14日、自民・公明両党は「平成30年度税制改正大綱」(以下、大綱)を取りまとめた。その内容は、所得再分配機能の強化、社会保障制度の維持・強化に向けた安定財源の確保に資する税制抜本改革が喫緊の課題であるにもかかわらず、改革の全体像を示さないまま小手先の弥縫策に終始するものといわざるを得ない。

  2. 所得税・個人住民税では、2020年分以降、全納税者の基礎控除額を10万円引き上げる一方、給与所得控除については、控除額の一律10万円縮小、同控除の上限額および上限額が適用される収入基準の引き下げなどを掲げている。「働き方の多様化」への対応という名目により、結果として事業所得を幅広く減税する一方で、税負担増の多くを一部の給与所得者に安易に求めることは、税制に対する公平感・納得感を損なうものであり、問題である。
     まずは改革の全体像を国民に示したうえで、人的控除の税額控除化、低所得層を対象とした「給付付き税額控除」の導入、金融所得への課税強化などによる所得再分配機能の強化や不公平税制の是正など、抜本的な見直しに腰を据えて取り組むべきである。

  3. 大綱は、所得拡大促進税制の拡充を打ち出しているが、そもそも法人企業の6割強が法人税を納めていない中で、その効果には疑問が残る。まずは労働者の職業能力開発、中小企業をはじめとした生産性向上を支援する施策を推進するべきである。自動車取得税については、地域生活における負担への配慮や税制簡素化の観点から、地方における必要な税財源を確保しつつ、速やかに廃止すべきである。「森林環境税」「国際観光旅客税」といった新税導入については、課税の目的、税収の使途、受益と負担の関係などについて国民へ説明責任を十分に果たすことが不可欠である。

  4. 連合はこの間、「公平・連帯・納得」の税制改革を実現するべく、政府・政党への要請、政府税制調査会での意見反映などを行ってきた。引き続き、通常国会での法案審議対応など、働く者・生活者の立場に立った税制の実現に向けて取り組む。
    以 上