事務局長談話

 
2017年12月08日
「新しい経済政策パッケージ」に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸


  1. 12月8日、政府は、「人づくり革命」と「生産性革命」を柱とする「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定した。その内容には連合がこれまで提起してきた政策と重なる点も多い。しかし、労働者保護を脅かす制度の検討が含まれていることや、「人づくり革命」の財源を消費税に求める結果、将来世代に負担を先送りすることは問題である。
     

  2. 「人づくり革命」について、高等教育の無償化は、国立大学の授業料を住民税非課税世帯の子どもを対象に免除し、私立大学については授業料の一部を含めて無償とするものである。これにより、格差の固定化の解消につなげようとすることは一定の評価ができる。しかし、教育機会均等の実現のためには、厳しい学生生活の実態に照らして、給付型奨学金のさらなる拡充が必要である。また、無償化のための財源のあり方については、いわゆる「出世払い制度」も含め、公正・公平な制度の検討を急ぐべきである。
     

  3. また、保育・介護分野について、「幼児教育の無償化」が最優先の政策と位置づけられているが、保育所待機児童の解消と保育の質の改善、介護離職の解消こそが喫緊の課題である。「子育て安心プラン」の加速化と、保育・介護人材の確保のための抜本的な処遇改善に、最優先で取り組むべきである。なお、介護人材の処遇改善にあたっては、介護職員以外を含む人材に対し経験に応じて確実に配分される仕組みを構築しなければならない。
     

  4. 「生産性革命」については、中小企業への支援強化など評価できる部分も多い。しかし、「解雇無効時の金銭救済制度」について、「可能な限り速やかに、労働政策審議会において法技術的な論点についての専門的な検討に着手し、同審議会の最終的な結論を得て、所要の制度的措置を講じる」としている。日本の豊かな人的資源をさらに育む労働環境の創造が強く求められる中にあっては、経営者のモラルハザードにつながりかねない制度導入ありきの拙速な議論を行うべきではない。
     

  5. 連合は、「働くことを軸とする安心社会」をめざすべき社会像として掲げ、その実現に向けた政策を求めている。引き続き、政府・政党への要請や、「クラシノソコアゲ応援団! RENGOキャンペーン」第3弾などの世論喚起を通じて、連合が求める政策の実現に全力で取り組みを進めていく。
    以 上