事務局長談話

 
2017年08月08日
平成29年人事院勧告に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 人事院は、8月8日、政府と国会に対して、2017年度の国家公務員の月例給を631円(0.15%)引き上げることや、一時金の支給月数を0.10ヵ月増(4.40ヵ月)とすることなどについて勧告を行った。月例給および一時金のいずれも4年連続の改善であり、このことは、今次春季生活闘争において、継続した賃金改善の重要性を訴えてきた連合の取り組みの成果であると評価する。政府には、本勧告どおりの早期完全実施を求める。

  2. 労働諸条件の改善については、本年3月に政府が決定した「働き方改革実行計画工程表」に公務員の長時間労働対策が明記される中、勤務時間管理や上限規制などを含めた実効性ある施策の勧告が期待されたが、具体策は示されなかった。「働き方改革」は、国民全体にかかわる重要な課題として、公務職場も含めたすべての職場において実行されるべきであり、とりわけ公務においては、質の高い公共サービスを維持し続けるためにも、労使関係において超過勤務の規制をはかる措置を講じるなど、より積極的かつ実効性ある施策を推進していくことが求められる。
      一方、勧告に先立ち、本年7月には8年ぶりの非常勤職員給与指針の改定が行われた。各府省は新年度を待つことなく、勤勉手当の支給などの処遇改善を早期に実現すべきである。

  3. 今後、人事委員会が置かれている地方自治体においても、地方公務員の給与にかかる人事委員会勧告が予定されているが、人事院勧告を踏まえ、少なくとも同様の引き上げ勧告が行われるとともに、地方自治体に対しては、地方自治の原則の観点から、労使交渉が尊重されることを期待する。

  4. 連合は、国民の安全・安心な暮らしを守る良質な公共サービスの維持・発展に向け、関係する組織と連携しながら、労働基本権の回復と自律的労使関係制度の確立をはじめとする、民主的な公務員制度改革の実現をめざしていく。
     
    以 上