事務局長談話

 
2017年06月19日
第193通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 2017年1月20日に召集された第193通常国会は、150日間の会期を終え、6月18日に閉会した。今通常国会では、安倍政権の緩みや驕り、そして強権的な国会運営がこれまで以上に顕著となった一方で、盤石と思われていた安倍政権に綻びが見られ始めた。

  2.  5月3日には、一般紙に憲法改正に関する安倍首相のインタビュー記事が掲載された。この件に対する国会での質疑で、安倍首相は一般紙を熟読するよう答弁したが、疑問に正面から答えず不誠実な答弁に終始した。また、今国会における最大の焦点とされていた「改正組織犯罪処罰法」(いわゆる共謀罪法)についても、金田法務大臣の答弁は当初から曖昧であり、国民の疑念を払拭するだけの十分な審議が尽くされたとはいえない。それにもかかわらず、与党は参議院ではわずか17時間程度の審議で委員会審議を放棄し、本会議で「中間報告」を求めた上で採決を強行した。こうした国会運営は、与野党が重んじるべき国会運営上の信義則を毀損する行為であり、国会ひいては国民を軽視するものである。

  3. 今通常国会では、文部科学省による組織的な天下りあっせん問題、PKO日報問題などが明らかになるとともに、安倍首相自らの関与が疑われる森友学園問題、加計学園問題が浮上した。加えて、復興大臣の被災地を蔑ろにするかの発言と辞任に象徴される、閣僚などによる失言も目に余るものがあった。しかし、安倍政権は、それらの不祥事や疑惑に対して真摯に対応することのないまま、強権的な国会運営に終始した。まさに「一強」の政治体制による驕りがあるといわざるを得ない。

  4. 連合は、与野党間の勢力に圧倒的な差がある中で、緊張感ある政治、働く者の立場に立った政治勢力の再構築に向け、「一強政治」からの転換への足がかりを確保するべく、民進党に対して、個々の政策の柱となる、めざすべき社会像やビジョン、政権構想といったものを早期に示し、現政権との対立軸を鮮明化するとともに、全国各地でそれらを地道に国民に訴えていくための取り組みを求めていく

    以 上