事務局長談話

 
2017年06月19日
「性犯罪に対処するための刑法の一部改正法案」の成立に関する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人


  1. 6月16日、参議院本会議において、刑法(性犯罪関係)の一部を改正する法律案が全会一致で可決・成立した。法制定以来110年ぶりに性犯罪を厳罰化する抜本改正がなされたことは、一定の評価ができる。しかし今回の法案審議にあたっては、性犯罪という極めて重い課題として世論が注視してきたにもかかわらず、政局や他の法案の審議状況の影響を受け、極めて短い審議時間による採決となり、実態や残る課題についての審議、検証が十分になされなかったことは問題である。

  2. 改正法の主な内容は、性犯罪に該当する行為の拡大、被害者を女性に限定していた規定の見直し、「暴行」や「脅迫」が無くても親など「監護者」がその立場を利用した場合には性犯罪とすること、法定刑の下限引き上げ、強姦罪(強制性交等罪に名称変更)などを非親告罪として被害者の告訴が無くても公訴提起できるようにしたことなどである。また、衆議院での修正により、法の3年後の見直しが法案の附則に盛り込まれた。参議院では、附帯決議において再犯防止対策や児童が性犯罪被害者となる際の配慮、「男性や性的マイノリティ」へ関係機関が不当な取り扱いを行わないよう求めることなどが盛り込まれた。

  3. 連合は「政策・制度 要求と提言」に、性犯罪・性暴力被害者の人権擁護の強化や「女性への暴力」被害者の支援体制の充実を掲げている。その観点から法制審議会における法案要綱の検討にあたっては、配偶者間の強姦罪の明文化や、立証過程において二次的被害を引き起こすことにつながる「暴行・脅迫要件」の緩和、性暴力被害者のプライバシー保護に必要な「レイプシールド」の制度化を指摘してきた。

  4. 今後政府は、附則に盛り込まれた3年後の見直しに向け、被害当事者の参画の下で、残された課題への対応を含め、十分な見直しの検討を進めるべきである。連合は引き続き、法の見直しに向けた取り組みを関係団体と連携しながら進めていく。
     
    以 上