事務局長談話

 
2017年05月11日
「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案」の成立に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人
 

  1. 5月11日、衆議院本会議において「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案」が賛成多数で可決、成立した。本法は課題の全てに対し解決策を講じるものではないが、いわゆる「法の谷間」に置かれ、官製ワーキングプアとも称される地方公務員の臨時・非常勤職員の処遇改善に向け、一定の前進がはかられたことは評価できる。

  2. この法律は、昨年12月の「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告書」を踏まえ、①特別職任用および臨時的任用の厳格化、②一般職非常勤職員の採用・任期等の明確化や給料・手当の支給などが盛り込まれた。この法律の施行により、臨時・非常勤職員の適正な任用や処遇の改善による職員の意欲向上などが期待されるところであり、2020年の新制度への円滑な移行に向け、万全の準備を整えることが重要である。

  3. 連合はこの間、民進党と連携し、懸念事項などに対する国会対応を行ってきた。その結果、衆参両院の総務委員会において、「制度移行における不利益取り扱いの禁止や適正な勤務条件確保のための条例等の整備、および必要となる財源の確保」や「公務における同一労働同一賃金の在り方の検討および必要な措置」を含む4点の付帯決議がなされた。今後はこの付帯決議も含め、法の内容に沿った対応が確実になされるようフォローアップを行っていく。

  4. 安全でかつ豊かで良質な国民生活の実現には、「働くことを軸とする安心社会」の基盤である質の高い公共サービスが不可欠である。そのことを踏まえ、連合は今後も引き続き、公務における臨時・非常勤職員の諸課題解決に向け取り組んでいく。
    以 上