事務局長談話

 
2017年03月28日
「核兵器禁止条約」制定交渉開始に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人


  1. 3月27日午前(日本時間27日深夜)から5日間の日程で、国連本部で「核兵器禁止条約」の制定に向けた交渉会議が始まった。日本政府は会議に先立って演説を行い「条約交渉は国際社会の分断を一層深める」として、条約への反対と会議への不参加を表明した。唯一の戦争被爆国であるわが国の不参加は、核兵器廃絶を求める多くの国々や市民を失望させるものであり、きわめて遺憾である。

  2. 核兵器禁止条約は、核兵器の廃絶に向けて「法的に核兵器を禁止する」ことを目的としている。2016年12月23日の国連総会本会議において、賛成113カ国、反対35カ国、棄権13カ国の賛成多数で、交渉会議の開始が正式に決定していた。
    しかし、決議に反対もしくは棄権した核兵器保有国である米露英仏中5カ国や、安全保障で米国の「核の傘」に依存する国の多くが交渉会議に参加していない。保有国が不参加のまま制定交渉を進めても、実質的な進展は望めない。核兵器保有国は、「非人道的兵器である核兵器の廃絶」という人類共通の目標に向かって、国際社会との真摯かつ将来を見据えた対話に応じるべきである。

  3. 日本政府は交渉開始の決議には反対したものの、交渉会議そのものには当初参加する意向を表明していた。会議開始直前になって参加を取りやめた背景には、米国の強い反対があったと伝えられている。米国新政権の核兵器に関する政策姿勢や北朝鮮による核開発の動きなど、情勢は不透明感を増している。しかし、だからこそ、ことさらに日米同盟を意識するあまり、核兵器保有国と非保有国との橋渡し役としての責任を放棄することは許されない。交渉会議は6月から7月にかけても開催されることが決定している。日本政府には、速やかな交渉会議への参画と核兵器廃絶の合意形成に向けた外交努力を要請する。

  4. 連合は、これまでも、広島・長崎での平和行動や「核兵器廃絶1000万署名」の国連事務総長への提出をはじめ、志を同じくする団体とともに国内外で運動を展開してきた。引き続き、あらゆる機会をとらえて、核兵器廃絶に向けた国際社会の一致した行動を求めて幅広い世論喚起などに取り組んでいく。
     
    以 上