事務局長談話

 
2017年03月27日
2017年度政府予算成立についての談話

日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人



  1. 3月27日、2017年度政府予算が参議院本会議において与党などの賛成多数で可決・成立した。連合は、経済の自律的成長を実現させるためには、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」に資する政策の実行が必要との観点から政府案の見直しを求めてきた。しかし、政府案は例年にない早さで衆議院を通過するなど、国会での真摯な審議がなされないまま成立に至ったことは残念である。

  2. 本予算では、政府が財源確保に最大限努力するとした「1兆円程度」の子ども・子育て支援の財源確保はなされず、また、全産業平均に対して月額10万円以上の賃金格差がある介護・保育サービスを担う職員の処遇も抜本的な改善がされないまま、予算案は修正されずに成立した。
     また、予算に盛り込まれた医療・介護にかかる高齢者の自己負担の引き上げ、介護保険料の総報酬割の段階的導入などが、高齢者の暮らしや介護離職の増加にどのような影響をもたらすか十分な検証もなされなかった。
     政府は、保育所等の待機児童の解消、介護・保育人材の確保など、国民生活にとって喫緊の課題を直視した政策を強力に進めていくべきである。

  3. また、連合は、子どもの家庭の経済状況の違いによる教育機会の格差を是正し、「貧困の連鎖」を断ち切るため、公的奨学金制度の一層の充実強化を進めるとともに、幼児教育から高等学校に至るすべての生徒の授業料の完全無償化を実現すべきであることを強く訴えてきた。しかし、本予算に盛り込まれた「高等教育における給付型奨学金」の規模は極めて小さく、不十分なものにとどまった。給付型奨学金の給付額、対象者数のさらなる拡充はもとより、貸与型奨学金の完全無利子化など、他先進国と遜色ない奨学金制度の構築が緊要である。

  4. わが国が人口減少・超少子高齢社会を迎える中で、連合は、国民の将来不安を払拭するとともに、将来世代へ負担を先送りしないためにも、社会保障と税の一体改革の原点に立ち戻り、政府に社会保障の充実・安定化と財政健全化目標の達成の道筋を明らかにしていくことを求めてきた。引き続き、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」をはかる政策・制度要求の実現、その先にある「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、全力で取り組んでいく。 
     
    以  上