事務局長談話

 
2017年03月13日
「時間外労働の上限規制等に関する労使合意」についての談話

日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人



  1. 3月13日夕刻、経団連と連合は、「時間外労働の上限規制等に関する労使合意」(以下、「労使合意」)を取りまとめ、安倍総理に報告した。「労使合意」は、2月14日の「働き方改革実現会議」において、安倍総理から「胸襟を開いての責任ある議論を労使双方にお願いしたい」とされたことを受けて、2月下旬から経団連と連合が協議を重ねてきた成果である。長時間労働の是正に向けて、罰則付の時間外労働の上限規制という労働基準法70年の歴史の中での大改革に労使が合意したことは、きわめて意義が大きい。検討は再び有識者会議としての「働き方改革実現会議」に委ねられるが、本合意内容が3月末の「実行計画」にしっかりと盛り込まれ、速やかに法改正の実現に向かうことを切望する。

  2. 「労使合意」は、過労死・過労自殺ゼロの実現と、女性や若者、高齢者など多様な人材が活躍できる社会の構築に不退転の決意で取り組む、とした。その上で、[1] 労働基準法に時間外労働の上限規制を明記すること、[2]勤務間インターバル制度の努力義務化、[3]パワーハラスメント防止等、過労死等を防止するための対策、[4]労働政策審議会における検討、[5]見直しにあたっての検討規定、を内容としている。時間外労働の上限規制だけでなく、勤務間インターバルやパワーハラスメント防止対策など、連合が求めてきた政策を一定程度、盛り込むことができた。

  3. 一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限としての、「単月100時間」に関しては、「100時間以内」か「100時間未満」かで、労使の意見は平行線をたどった。今後、安倍総理の意向を踏まえた最終決断・再検討を経ていくこととなる。時間外労働の上限規制は、あくまでも「これ以上働かせてはならない」というものである。「労使合意」においても、特別条項を適用する場合に、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなく、月45時間、年360時間の原則的上限に近づけることの重要性を示している。「ここまで働かせてもよい」との誤解を生じさせないようにすることが、極めて重要である。

  4. 長時間労働の是正に向けては、「時間外労働の限度基準」(大臣告示)から適用除外とされている業務の扱いも課題である。建設事業や自動車運転の業務なども、今回の上限規制を適用とすることが必要である。連合は、職場の声を結集して、すべての労働者が健康で働き続けられる労働時間制度の実現に取り組む。同時に、構成組織、地方連合会、連合本部が一体となって、労働時間のルールを社会全体に広げていく運動を展開する。
    以 上