事務局長談話

 
2016年12月27日
在日米軍輸送機オスプレイの事故再発防止・安全確保の徹底を求める談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 今月13日、沖縄県名護市で在沖縄海兵隊所属の輸送機MV22オスプレイの墜落事故が発生し、地域住民の安全を確保するための具体的かつ早急な対策が求められている。そうした中、詳細な原因調査の結果などについて十分な説明もないまま、事故発生からわずか6日後に飛行が再開されたことは極めて遺憾である。沖縄をはじめオスプレイ飛行地域周辺住民の安全に対する不安は増大している。日本政府には、米軍に対して今回の事故に関する十分な情報開示と徹底した再発防止策の実行を求めるよう強く要請する。

  2. 連合は、オスプレイの配備に際して、過去に発生した事故原因の究明と再発防止策の徹底、日米合同委員会での運用ルール合意事項の遵守を求めてきた。しかしながら、これまでも運用ルールに反する飛行が度々指摘され、地域住民の不安が一向に解消されない中で、今般の事故は発生した。地域住民の安全と財産を守るため、密集する住宅地の上空を飛行するオスプレイの運用ルールの遵守について、改めて徹底するよう求める。

  3. 戦後から現在に至るまで、沖縄は過重な米軍基地負担を強いられている。また米軍基地が存在するが故の危険にも晒されてきた。1995年に起きた米兵による少女暴行事件を契機に、米軍基地の整理・縮小は日米両政府により検討・合意されたが、今もなお沖縄には負担が重くのしかかっている。また、米軍人・軍属による凶悪犯罪は今日に至るまで繰り返され、今年5月にも元米兵による女性殺害・遺体遺棄事件が発生した。地域住民の安心と安全を取り戻すためには、一刻も早い「在日米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本的な見直し」が不可欠である。

  4. 連合はこれまでも「在日米軍基地の整理・縮小」および「日米地位協定の抜本的な見直し」の実現に向けた運動を展開してきた。基地をめぐる問題の解決は、沖縄をはじめ米軍基地がある地域だけでなく、すべての国民共通の課題であるとの認識を広く共有することが重要である。連合は、来年4月のシンポジウム、6月の沖縄での平和行動などを通じて、この問題に関する組織内外への発信を強化しながら、引き続き粘り強く取り組んでいく。
    以 上