事務局長談話

 
2016年11月21日
COP22閉幕に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1.  11月7日から19日にかけてモロッコのマラケシュで開催された第22回気候変動条約締約国会議(COP22)は、「マラケシュ行動宣言」を採択し、閉幕した。会期中に行われたアメリカ大統領選挙の結果などもあり、すべての国・地域による温暖化対策の実効性に不透明さが増す中、「行動宣言」は、取り組みを前進させるべく政治による最大限の努力を求めるものである。連合は、未批准国の国内手続きの加速とともに、すべての締約国の責任ある対応を期待する。
     

  2.  会期中、11月4日に発効した「パリ協定」を受けて第1回締約国会議(CMA1)が開催されたが、開会直後に中断され、特別作業部会(APA)で協定の内容を詰める作業が継続された。これらの会議で採択された「作業計画」では、パリ協定の詳細な制度設計を2018年までに終えることで合意した。また、先進国ならびに自主的に対応する一部途上国からの資金拠出について年間1千億ドルを下限として確保するとともに、その引き上げについて2017年の会合で決定することとなった。
     

  3.  COP22には連合も参加し、労働組合として最大の関心事項の一つである「公正な移行」の具現化に向け、山本環境大臣への要請など意見反映に取り組んだ。その結果、会期中に開催された「科学および技術の助言に関する補助機関(SBSTA:7日~14日)」において、来年5月に開催される「実施に関する補助機関(SBI)第46回会合」の中で「公正な移行」を議論すること、ILOなどの国連機関とともに、連合が加盟する国際労働組合総連合(ITUC)がはじめて参加することが決定した。

  4.  連合は、この決定を受け、来年のSBI会合に備えるべく、日本における「公正な移行」の事例研究や制度の検討を行う。また、来年11月にフィジーを議長国としてドイツ・ボンにおいて開催されるCOP23で大きな成果を得るため、ITUCをはじめとする国際労働運動との連携をより一層強化していく。同時に、日本の国際社会への貢献に向けて、引き続き国内における温暖化対策の国民行動である「連合エコライフ21」に、組織を挙げて取り組んでいく。
     
    以 上