事務局長談話

 
2016年11月18日
外国人技能実習法案の成立についての談話
日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人


  1. 本日、参議院本会議において、衆議院で一部修正された「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」(外国人技能実習法案)が可決、成立した。現在約19万人もの実習生が在留する中、労働関係法令違反やパスポート取り上げなどの不適正事案が生じている外国人技能実習制度の「適正な実施」と「実習生の保護」をはかる法的枠組みを新たに整備する点は評価する。

  2. 外国人技能実習法の主な内容は、[1]「国際研修協力機構」に代わり、法的権限を有する監督機関として「外国人技能実習機構」を新設すること、 [2]実習生ごとに作成する「技能実習計画」を認定制とすること、[3]実習生を受入れる「監理団体」と「実習実施者」をそれぞれ許可制、届出制とすることなどである。また、民進党など3党が提出した修正案に基づき、実習生の報酬は日本人が従事する場合と同等額以上とすべき旨も明文化された。これらの規定は実習生の保護に資するものである。今後の省令制定においては、委任事項とされた「実習実施者」の届出要件や「技能実習計画」の認定基準の詳細などについて厳格に定められるべきである。

  3. 他方、外国人技能実習法には、実習生の受入れ期間を最長3年から5年へと延長する「第三号技能実習」の創設も規定されている。制度に対し国内外から批判を浴びている現状を踏まえれば、実際に制度の適正化が果たされたことを確認しないまま制度を拡充することは不適当である。
    また、法案成立を受けて、「介護」が対人サービスとして初めて対象職種に追加される。しかし、実習生の日本語能力が十分担保される制度となっておらず、サービスの質や緊急時の対応、実習生の人権擁護などに懸念が残っており、職種追加には大きな問題がある。

  4. 昨今は労働力不足を理由として、実習生を含む外国人労働者の受入れ議論が盛んに行われている。しかし、外国人技能実習制度の本旨は、法1条が定めるとおり「発展途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力」であり、実習生が低賃金労働者として扱われたり、ましてや過労死などが発生するようなことがあってはならない。
       連合は、外国人技能実習制度がその本旨に合致する形で運用されることを求めるとともに、地域や職場において実習生を含めた外国人労働者の権利保護が適切にはかられるよう対応をはかる。
    以 上