事務局長談話

 
2016年05月25日
「消費者契約法の一部を改正する法律案」成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 5月25日、消費者契約法の一部を改正する法律案が、参議院本会議において全会一致で可決、成立した。同法案は、近年の社会経済状況の変化や消費者被害に対する裁判例などの蓄積を踏まえ、消費者契約における公正な取引の確保、悪質商法などの消費者被害の防止、救済に向けた環境整備を進めるものであり、消費者保護強化の観点から評価できる。

  2. 同法案の主な内容は、[1]不実告知(重要事項に関する事実と異なる告知)を理由とした契約取消の範囲について「消費者が当該消費者契約の締結を必要とする事情に関する事項」を追加、[2]合理的な判断をすることができない事情を利用して過量な内容の契約を締結させた場合における、消費者による契約取消権の新設、[3]短期の取消権行使期間を6カ月間から1年間に伸長、[4]不当な勧誘行為があった場合の契約取消に際して、消費者の返還義務を現存する利益に限定する旨の規定を新設、[5]消費者の利益を一方的に害する条項を不当条項として明示すること、などである。

  3. また、国会における附帯決議では、「勧誘」要件のあり方、不利益事実の不告知、「困惑類型」の追加、「平均的な損害の額」の立証責任、「条項使用者不利の原則」、不当条項の類型などについては検討課題とするとともに、消費者契約にかかる裁判例や消費生活相談事例などについて引き続き調査・分析を行うこととされた。継続検討とされた論点が多数あることを踏まえ、消費者被害の発生・拡大の防止に向けた法のさらなる見直しに向けた議論が必要であり、連合も引き続き民進党をはじめとする政党や政府への働きかけを行っていく。

  4. 連合は、本法案の成立を受け、法の実効性の確保に向けて、改正内容の周知徹底、消費者教育の充実・強化、消費者相談窓口の認知度向上などについて政府に求めていく。また、今後の検討議論において、消費者被害の発生・拡大の防止など、消費者の安全・安心の実現に向けて積極的に取り組む。


以上