事務局長談話

 
2015年12月21日
「2015年度補正予算案」の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 12月18日、政府は、総額3.3兆円規模の「2015年度補正予算案」を閣議決定した。本補正予算案は、財政規律、緊要性、政策効果などの観点から問題の多い内容である。国会における与野党の真摯な議論を通じた精査・修正を求める。

  2. 本補正予算案では、景気対策として、低所得の年金受給者に対する1人3万円の臨時給付金が計上されたが、景気対策の効果としては限定的なものであることや、厳しい財政状況を踏まえ、実施を見送るべきである。臨時給付金の支給時期が来夏の参院選前後となることからみても、選挙をにらんだ「バラマキ」との誹りは免れない。「一億総活躍社会」を実現するのであれば、こうした場当たり的な政策を行うのではなく、全世代支援型の社会保障制度を実現すべく、政府として責任を持って安定的な財源の確保を行い、社会保障と税の一体改革を断行しなければならない。 

  3. 保育・介護については、施設整備や新たな人材確保対策が中心となっているが、最も重要な職員の離職防止と定着促進の対策は十分なものとは言えない。まず行うべきことは、地域包括ケアシステムや次世代育成支援対策を進める中で、急増する介護・保育サービスのニーズに対して職員が専門性を培いながら誇りを持って働き続けることができるよう、継続的な処遇改善や雇用管理の抜本的な見直しである。あわせて、仕事と子育てや介護などを両立しやすい環境の整備も加速されなければならない。

  4. さらに、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の対策費として約3千億円の予算措置を充てるとしているが、農業などに対する影響試算の公表がされていない中、具体的な対応方針の議論がないままに対策を講じるのは問題である。国会での十分な精査を行うべきである。

  5. 連合は、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」につながる政策の実行を求め、当面の経済運営、2015年度補正予算、2016年度予算、2016年度税制改正などについて、政府・政党への要請行動を展開してきた。引き続き、政策・制度要求の実現、その先にある「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、全力で取り組んでいく。


以上