事務局長談話

 
2015年12月16日
与党「平成28年度税制改正大綱」に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 自民・公明両党は12月16日、「平成28年度税制改正大綱」を取りまとめた。その内容は、経済成長のみを優先し、格差是正に向けた所得再分配機能の強化に資する改正が盛り込まれていない。加えて、消費税における軽減税率の導入については、真の低所得者対策にならないばかりか、将来にわたってわが国の経済社会に大きな歪みをもたらしかねず、断じて許されるものではない。

  2. 軽減税率は、高所得者ほど受ける恩恵が大きいことや、対象品目の合理的な選定が難しいなど、問題が多い。加えて、インボイス制度が未整備の段階で軽減税率を導入するとしたことは、いわゆる益税の問題をさらに拡大させるものである。
    また、今回の導入にあたって約1兆円の税収減が見込まれているが、必要な財源の確保が先送りされており、無責任極まりない。消費税率引き上げによって確保すべき社会保障制度の維持・充実のための財源が損なわれるようなことがあってはならない。特に、低所得者対策として医療・介護・保育などの自己負担額の合計に上限を設ける総合合算制度にあてられるはずだった財源が代替財源の一部とされたことは極めて遺憾である。消費税率の引上げに伴う低所得者対策については、単一税率の維持を前提とした給付付き税額控除と総合合算制度を導入し、効果的に低所得者を支援すべきである。

  3. 法人実効税率については、2016年度から29.97%、2018年度から29.74%に引き下げるとしているが、過去に実施した減税措置の政策効果や税収に与える影響に関する丁寧な検証がなされていない点は問題である。また、減税の代替財源は外形標準課税の拡大など法人税の枠内で確保するとしているものの、租税特別措置について、有効と認め難いものは廃止し、有効なものは延長または恒久化するなどさらなる見直しがなされるべきである。

  4. 自動車関係諸税については、2017年4月に導入される新たな環境性能課税の具体的な制度案が示されているが、同時期に廃止される自動車取得税の付け替えともいえる内容であり、かつ簡素化に反するものであり問題である。連合は引き続き、地方における必要な税財源を確保しつつ、自動車関係諸税の抜本的な軽減・簡素化を求めていく。

  5. 連合は、格差の是正と暮らしの底上げ・底支えにつながる政策の実行を求め、政府・政党への要請行動を展開している。連合は引き続き、生活者、働く者の立場から「公平・連帯・納得」の税制改革の実現を求めていく。


以上