事務局長談話

 
2015年11月27日
第47回衆議院議員選挙に対する最高裁判所判決についての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 逢見 直人

  1. 最高裁大法廷は、2015年11月25日、「1票の較差」が最大2.13倍であった昨年12月の第47回衆議院議員選挙について「小選挙区の区割りは不平等状態にある」と指摘し、2009年、2012年衆院選に続き、三度目となる「違憲状態」との統一判断を示した。同時に、この間の国会の取り組みを一定程度評価し、憲法上許される期間内に較差が是正されなかったとは言えないとして無効請求は退けた。与野党は、立法府の責任を果たすべく、真摯に1票の較差是正に向けた取り組みを進めるべきである。

  2. 第47回衆議院議員選挙は、前回選挙と比較して最大較差が2.43倍から2.13倍に縮小し、また、較差が2倍以上となる選挙区は72選挙区から13選挙区に減少した。しかしながら、「1人別枠方式」の廃止など選挙制度の抜本改革を求めた2009年衆院選に対する2011年の最高裁判決から約3年8ヵ月もの期間が経過している。さらに、今回の審理に関わった最高裁裁判官14名のうち3名が「違憲」と判断し、そのうちの2名が選挙無効にも踏み込んでいることに対し、すべての政党は重く受け止めなければならない。

  3. 現在、衆議院選挙制度に関しては、衆議院議長の諮問機関である「衆議院選挙制度に関する調査会」において較差是正や議員定数削減など衆議院選挙制度の見直しに向けた議論が重ねられており、年明けに答申がとりまとめられる予定となっている。答申を受け、すべての政党は、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であることを踏まえ、党利党略を超え、立法府の責任を果たすべく、真摯かつ早急に較差の縮小に取り組まなければならない。

  4. 連合は、二院制における衆議院、さらには参議院それぞれの役割も踏まえた上で、公平・公正、有権者の権利拡大の観点から、次期通常国会において抜本的な選挙制度改革および国会改革が実施されるよう引き続き求めていく。


以上