事務局長談話

 
2015年09月03日
「マイナンバー等改正法案」の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 2015年9月3日、「マイナンバー等改正法案(個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案)」が衆議院本会議において与野党の賛成多数で可決・成立した。マイナンバーの利用範囲の拡大については一部問題があるものの、個人情報保護を強化する内容などが盛り込まれており、概ね妥当である。

  2. 今回の改正法案の成立によって、個人情報全般の取り扱いを監視・監督する第三者機関が設置される。これは、連合の要求に沿ったものであり、評価できる。個人情報漏洩に対する不安を払拭するべく、政府は、透明かつ公平・公正・中立な運営を確保するとともに、人員の確保、教育・研修も含めて万全の体制を整える必要がある。

  3. また、来年の1月から運用が始まるマイナンバーの利用範囲が拡大される。社会保障制度における資力調査や税務調査を目的とした預貯金口座へのマイナンバーの付番、継続的な保健事業の推進を目的とした特定健診・保健指導におけるマイナンバーの利用などは理解できる。しかし、低所得者を対象としていない特定優良賃貸住宅の管理におけるマイナンバーの利用については、マイナンバー法で定められた利用分野(社会保障・税・災害対策)のいずれにも属さないため問題である。

  4. 法案審議中の本年6月に日本年金機構による個人情報流出が発覚し、マイナンバー制度における個人情報保護策に対しても国民の不安が高まった。それを受けて、改正法案には、日本年金機構におけるマイナンバーの利用・情報連携を一定期間停止する修正が加えられた。国民の不安の高まりを考えると、やむを得ない措置ではあるが、連合は年金分野におけるマイナンバーの利用を求めてきただけに残念である。政府および日本年金機構は、今後同様の事態が発生しないよう、早期に再発防止策を確立し、個人情報保護策のさらなる徹底と国民の信頼回復に努めるべきである

  5. マイナンバー制度は、公正で公平な社会を実現するための基盤である。連合は、マイナンバー制度の円滑な運用開始に向けて、国民への丁寧な説明、制度導入にあたっての中小企業や地方自治体や中小企業の負担軽減とともに、個人情報保護策に万全を期すことを政府に求めていく。


以上