事務局長談話

 
2015年04月02日
2015年度税制改正関連法の成立に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 2015年度税制改正関連法が3月31日、参議院本会議において、自民、公明、次世代の党などの賛成多数で可決、成立した。連合は、国会での十分な審議・修正を求めてきたが、所得再分配機能の強化など暮らしの底上げや格差是正をはかる観点を欠いたまま成立したことは遺憾である。

  2. 今次改正では、デフレ脱却・経済再生に向けた措置、地方創生に向けた措置、消費税率10%への引上げ時期の変更等のための措置、国際課税関連の措置等が盛り込まれた。この中では、平年度で6,690億円もの減税となる企業優先の措置に重点が置かれていることが大きな特徴であるが、これらの措置が雇用と所得の拡大にどの程度つながるのか定かではない。減税の代替財源については、雇用や所得への影響に関する検証が不十分なまま外形標準課税の拡大がはかられたが、連合が求める租税特別措置の見直しによる財源確保はほとんど進まなかった。

  3. 一方で、暮らしの底上げや格差是正の観点からの個人所得課税の改正、資産課税の改正は盛り込まれなかった。加えて、地方の家計負担の軽減に向けた自動車関係諸税の抜本改革についても前進ははかられなかった。消費税については、税率引上げ時期を2017年4月に延期する一方で、逆進性対策については、法律では方向性が示されていない。現在与党が検討中の軽減税率は、対象品目の線引きや財源確保などの点で問題が多いばかりか、抜本的な逆進性対策とはならない。単一税率のもと、真に必要な世帯にのみ消費税負担分を払い戻す給付措置(給付付き税額控除)を導入すべきである。

  4. 日本経済を持続的・安定的成長に復帰させるためには、堅い内需を生み出す暮らしの底上げ・格差是正に向けた政策が不可欠である。連合は、2015年度税制改正にあたって、政府・政党への要請行動に加え、「2015連合税制フォーラム」の開催などを通じて、「公平・連帯・納得」と「暮らしの底上げ」につながる税制改革の実現を強く求めてきた。連合は、残された課題への対応について、次年度税制改正を中心に取り組みを強化していく。


以上